受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

かえつ有明中学校

2021年8月24日(火)

アクティブラーニングを発展させた授業で、生徒たちの創造力を育成

 かえつ有明中・高等学校は、2006年に前身の嘉悦女子中・高等学校から改称し、共学に移行。同時に千代田区富士見から江東区東雲の有明キャンパスに移転しました。教育理念に「生徒一人ひとりが持つ個性と才能を生かして、より良い世界を創り出すために主体的に行動できる人間へと成長できる基盤の育成」を掲げ、国際教養を身につけた、21世紀型のグローバル人材を養成しています。

 この日のオンライン説明会では、最初に広報部長の宇野岳史先生が教育内容について紹介しました。同校では、教育理念を支える三つの柱として、「ディープラーニング」「グローバル」「ダイバーシティ」を掲げています。ディープラーニングとは「アクティブラーニングから、さらに一歩進んだ深い学び」を実践するプログラムです。同校の特徴的な取り組みの一つとして、中学の「サイエンス科」があります。これは、すべての教科の土台となる考え方のプロセス(方法)やスキルを身につける探究型の授業です。さまざまなテーマの下、「情報を集め、整理・分析し、発表する」というサイクルを繰り返し、ディスカッションやグループワークを通して、「学ぶためのスキル」を培っていきます。この授業では企業や自治体と連携したプロジェクトも実施されます。各市町村のマスコットキャラクターについて分析し、新たなキャラクターを考案したり、食品メーカーとのタイアップでカップ麺の企画・提案をしたりといった、さまざまなことに挑戦してきました。

 また、ダイバーシティを意識した取り組みも進めています。その一環として、2020年度には、それまでの中学3年間男女別学制から6年間完全共学化に移行しました。宇野先生は「クラスは、一般生と国際生(帰国生)を分けず、習熟度別での編成も行っていません(英語と数学は習熟度別授業を展開)。高校もレベル別ではなく、学び方のスタイルや進路実現の方法によって三つのタイプのクラスを編成し、多様な生徒が切磋琢磨しながら成長できるように考慮しています。中学入試でも4科や2科のほか、思考力入試や、グループワークを評価するアクティブラーニング入試といった、さまざまな形式を取り入れているので、幅広い学習歴を持つ生徒が集まりました」と語りました。

 説明会では、サピックスを卒業した中1の男子生徒も登場し、宇野先生の質問に答える形で学校生活や部活動などについて紹介。「国際生も一般生も分け隔てなく、仲が良い」「部活動ではていねいに指導してもらえる」などと、在校生の目線でわかりやすく話してくれました。

 続いて、宇野先生が説明したのは進学指導や学習フォロー体制についてです。中学では成績不振者は個別に、または少人数で基礎からていねいに指導します。また、高校では、放課後や長期休暇中に、教員のほか予備校のトップ講師が担当する「学習支援センター講習」を開設しています。ここでは、高1は英語を、高2は国語・数学・英語を中心に学ぶことができるほか、高3の夏休みには200以上の講座を開講し、国公立大学から難関私立大学まで、幅広い大学の入試に対応しています。このほか、インターンシップ協定を結んでいる東京理科大学で教員をめざしている学生や、難関大学に進学した卒業生による学習サポートもあります。夏休みには、勉強合宿(高1・2)も行われます。

 グローバル教育については、国際部長の山田英雄先生が解説する動画が流されました。同校では全体の約3割を国際生が占めています。「休み時間には教室で日常的に英語が聞こえるので、一般生は英語に興味を持つようです。バックグラウンドの違う生徒もいるので、異なる言語だけではなく、多様な文化や考え方を受け入れる姿勢が自然に身につき、グローバルマインドが育っています」と山田先生は話しました。最後に、イギリスやフランスへの高校修学旅行や、3か月から半年間の「セメスター留学」、1年間の「アカデミックイヤー留学」など、多彩な留学プログラムや海外研修を用意していることを伝え、説明会は終了しました。

イメージ写真 高校では「サイエンス科」を発展させた「プロジェクト科」の授業が行われます。そこから生まれた企画がソニー主催のアイデア創出コンテスト(2020)でグランプリを受賞するなど、アクティブな人材が育っています

www.ariake.kaetsu.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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