受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

大宮開成中学校

2021年8月3日(火)

〝体幹の学力〟を鍛え、学習を習慣化
ていねいな指導で希望進路を実現

 1942年に大宮洋裁女学校として誕生し、来年、創立80周年を迎える大宮開成中学・高等学校。校訓「愛・知・和」の下、「21世紀を担う調和のとれた人間教育」を教育方針に掲げています。

 この日のオンライン説明会では、副校長の松﨑慶喜先生が、同校の教育について説明しました。松﨑先生は、埼玉県内で3位の早慶上理・GMARCHの合格実績に触れ、「すべての基本は、地道な学習活動にあります」と強調しました。

 同校では中学入試の成績に応じて、発展的な内容を扱うTクラスと、復習を重視するSクラスに分かれて学習を進めます。いずれも授業は1コマ50分で、平日は6~7時限まであります。土曜日は1コマ90分で2時限となっています。「授業」「予習・復習」「小テスト」のサイクルを繰り返し、中1・2で学習習慣を身につけます。

 松﨑先生は「春・夏の長期休暇中にも講習を行い、〝体幹の学力〟を鍛えることで、学習が習慣化されるのです」と言います。また、教員による親身な質問対応や進路指導、生徒同士の教え合いが、同校独自の文化として根づいているとのことです。校舎内では、日常的に教員が生徒とコミュニケーションをとる姿が見られ、すべての教員が最新かつ正確な情報を収集したうえで進路指導を行うなど、「生徒一人ひとりの希望に沿ったナビゲーション」が実践されています。

プレゼンテーション教育を通して
〝納得解〟を見いだす力を育む

 同校の教育の最大の特徴は、プレゼンテーション教育です。学年ごとにテーマを設定し、年間を通して探究活動を行います。昨年からはSDGs(持続可能な開発目標)をテーマとした学習に取り組んでおり、中1は「環境」、中2は「日本」、中3は「国際社会」について、1年をかけて準備し、プレゼンテーションを行ったそうです。その効用について、松﨑先生は「各教科の学習で得た知識を統合して〝生きるための知恵〟にする方法、また、グループ活動を通して他者との折り合いをつける方法を学び、正解ではなく〝納得解〟を見いだしていきます。こうした経験を通して『隣の友人を知る』ことこそ、真のグローバル化につながると考えています」と述べました。

 また、新型コロナウイルス感染症の流行により、直接的にコミュニケーションを図るのが難しい状況にある昨今、効果を発揮しているのが「生活記録ノート」です。目標や毎日の学校生活を記録するほか、小テストの結果や自習計画、その日の反省点なども毎日記し、提出します。受け取った担任はフォローのコメントを書いて返却し、週に1回は保護者もコメントを記入します。この「生活記録ノート」を継続することで、生徒には自己管理能力を身につけさせるとともに、生徒・教員・保護者の間で信頼関係を築いていくのが狙いです。最後に松﨑先生は「本校は開校以来、人とのかかわりを通して人を伸ばしてきました。進学実績は、その結果の一つに過ぎません」と結びました。

 2022年度入試については、「募集定員を従来の120名から150名に増員するための認可を申請中です」とのことです。

イメージ写真 プレゼンテーション教育では、答えが一つではない問題に対し、生徒たちが能動的に探究活動を行い、年度末にその成果を発表します

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