受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

攻玉社中学校

2021年8月30日(月)

「誠意・礼譲・質実剛健」の精神を身につけ、「一本筋の通ったスマートな男子」を育てる

 蘭学者であり、「明治六大教育家」の一人でもある近藤真琴が1863年に創立した私塾を起源とする攻玉社中学校・高等学校。校名は中国の古典『詩経』の「他山の石以て玉を攻(みが)くべし」という一文を由来とし、互いに刺激し合い、切磋琢磨する校風を表しています。校訓「誠意・礼譲・質実剛健」に基づく人間教育を重視する同校は、旧海軍の「スマートで、目先が利いて、几帳面、負けじ魂、これぞ船乗り」という標語を「攻玉社男子のアイデンティティ」として現在まで受け継いでいます。

 この日のオンライン説明会は、校長の岡田貴之先生のあいさつから始まりました。岡田先生は、同校の長い歴史と伝統に触れ、1990年に国際学級を設置し、1994年には1科入試を導入するなど、他校に先駆けて先進的な取り組みを行ってきたことや、国際学級の生徒との交流を通じて多様な価値観を認め合う気風が培われてきたことを紹介しました。また、「これからの時代は、人が気づかないことに気づき、注目されることを原動力として、社会に貢献できる力が必要です。このような人材を育てるために、本校では本質を見極める質問力、周囲を巻き込んでリーダーシップを発揮する力を養い、『挑戦を後押しする校風』を根付かせていきたいと考えています」と語りました。

 次に、教頭で、広報企画部長の髙木基之先生が、教育内容について説明しました。同校では、中高一貫の6年間を三つのステージに分けた「3ステージプログラム」を実践しています。まず、中1・2の「ステージ1」は、一般学級5クラス、国際学級1クラスの6クラス編成で、「生活習慣・学習習慣を身につける2年間」です。髙木先生によると、「中学3年間の学習内容を2年間で学ぶため、毎日、一定量の家庭学習が課され、授業の進度も速い」とのことです。しかし、「生徒たちは、この2年間で試行錯誤しながら効率的な学習方法を習得し、自発的に学ぶようになります」と強調しました。定期試験での成績不審者には指名制の補習授業を実施し、さらに深い内容を学びたい生徒には希望制の特別講習を行うなど、サポート体制も整っています。

 中3・高1の「ステージ2」は、キャリア教育を重視した「自分自身を深く見つめる2年間」です。中だるみをしがちなこの時期には、学年全体の学習意欲を高めるため、選抜学級を1クラス設けます。選抜学級の進度は一般学級と変わりませんが、より難度の高い問題に取り組みます。高校では国際学級がなくなりますが、これは国際学級の生徒の国語力が向上する一方、一般学級の生徒の英語力も向上するためで、垣根をなくすことによって一層の切磋琢磨を促します。なお、中3では、自分の興味分野を研究する卒業論文にも取り組みます。高1では、キャリアガイダンスや進路講演会を通して、各自が将来希望する職業を考え、進路選択に役立てていきます。

 高2・3年の「ステージ3」は「自分自身を磨く2年間」です。文系・理系に分かれて計8クラスの少人数学級を編成し、きめ細かいサポートで自己実現を図ります。髙木先生は、「3ステージプログラムは、大学入試で結果を出すことだけが目的ではありません。一人ひとりが目的意識を持ち、自分と向き合い、周囲と協力して人間的にも成長する『自律と協調』をめざすためのものです」と話しました。

 大学合格実績についても説明がありました。2021年は東京大学への15名を含め、国公立大学・大学校に合計71名が現役で合格。また早慶上理などの難関私立大学や医学部にも多数の合格者を輩出しました。

 2022年度入試は、例年どおり実施される予定です。4科の第1回(2月1日)と第2回(2月2日)を同時に出願して受験した「熱望組」は、点数がボーダーラインに若干不足した場合に一定の加点がなされ、正規合格とする制度が適用されるそうです。

イメージ写真 東急目黒線「不動前」駅から徒歩約1分と交通利便性の高い立地にあるキャンパスには、食堂、蔵書数約3万8千冊の図書館、温水プールなどが完備されています

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