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学校説明会レポート
鹿児島県立楠隼中学校
2021年8月25日(水)
創造力を養う学びと、地域性を生かした体験学習で次世代型リーダーを育成
2015年に開校した鹿児島県立楠隼(なんしゅん)中学校・高等学校は公立中高一貫校としては全国初の全寮制男子校です。中高ともに、広く全国から生徒を募集しています。「大志」「叡智」「至誠」の校訓の下、未来につながる「知」「徳」「体」を備えた全人教育を実践。生徒たちは、学校と寮での6年間の教育を通じて、意欲あふれる仲間と切磋琢磨しながら自己を確立していきます。2021年春には中学校から入学した1期生56人が卒業しましたが、そのうち38人が東京大学、一橋大学をはじめとする国公立大学に合格しました。
オンラインで開催されたこの日の説明会の冒頭、校長の新山剛先生は、大隅半島のほぼ中央に位置する同校の立地に触れ、「森林に囲まれた自然豊かな土地です。もちろん、塾や予備校はなく、1期生は学校と寮での学習だけでこの実績を残しました」と述べました。
続けて、新山先生は同校の特色ある学びについて紹介しました。中学は1学級30人の少人数制で、きめ細かい学習指導を行い、思考力・表現力を育成します。基礎学力を確実に定着させるため、授業は一日7時限まで行い、特に英語・国語・数学の時間数を多く設定しています。さらに、「学校設定教科」として、発展的な問題に取り組む「数学探究」と、日本語の力を養う「ことば探究」があり、これらを通して、一人ひとりの学びを深く掘り下げていきます。
鹿児島県ならではの体験活動も特徴的です。近くにある三岳(国見山・黒尊岳・甫与志岳)のいずれかに登る「1日遠足」(中1)、薩摩古来の武道の精神を学ぶ「薬丸野太刀自顕流(やくまるのだちじげんりゅう)」(中1)、南西諸島の暮らしと文化に触れる「南西諸島探訪」(中2)のほか、中1・高1の「農業漁業民泊体験」では、第一次産業に携わる家庭に滞在して、食を担う労働を体験しながら、地域の人との交流を深めます。
多様な体験活動のなかでも特筆すべきは、日本の宇宙空間観測施設・ロケット打ち上げ施設である「内之浦宇宙空間観測所」まで車で30分ほどの場所に位置する同校ならではのプログラム「シリーズ宇宙学」です。この授業では、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)をはじめとする企業・研究所・大学の職員を講師として招いて講義を行い、生徒たちは課題研究に取り組みます。過去に講義で取り上げられたテーマは、「宇宙の不思議と観測」「人工衛星と私たちの生活」「月・太陽系の探査」など。講義を通して宇宙開発の知識を得た生徒たちは、各自で研究テーマを設定し、中2では情報収集に取り組み、中3では研究した内容をまとめます。さらに高校では、宇宙開発系、宇宙生命系、応用工学系、航空工学系の4コースに分かれて講義を受け、学びを深めたうえで論文を作成します。
一方、外国語教育にも力を注いでいます。中1を対象に、英語科教諭とネイティブ講師(ALT・留学生)がオールイングリッシュで指導する「イングリッシュキャンプ」を実施。また、アジア圏に目を向けるきっかけとなるのが、中2・3で週1回行われている「中国語会話」です。中3の「チャイニーズキャンプ」では、中国人講師や中国出身の留学生と異文化交流を楽しみます。このほか、中3はアジア圏で、高2はアメリカで学ぶ「海外大学企業連携研修」、UCLAの学生のサポートを受けながら、ディスカッションやプレゼンテーションに取り組む「アメリカ語学研修」(高2希望者対象)があります。
校舎と隣接する学生寮での生活も紹介されました。「6棟あるうち1棟は高3生のみですが、そのほかは中1から高2までの生徒が一緒に生活しています。年長者が年下の生徒の面倒をみる薩摩藩の「郷中(ごじゅう)教育」を手本に、先輩が後輩を指導する環境づくりをめざしています」と新山先生。部屋は全学年が個室でプライベートな時間が確保されていますが、寮生全員が一斉に食事をとれる食堂、二つの大浴場、各フロアに設置された談話室などでは、仲間と充実した時間を過ごすことができます。また、20時から22時30分まで(高校生は23時まで)は学習時間となっており、個々の生徒の課題を把握した学習指導員による質問対応も行われているそうです。
来年1月23日に実施される2022年度入学者選抜の会場は、本校のほか、東京・大阪・福岡・鹿児島に会場が設けられます。募集人員は60人で、午前中に適性検査Ⅰ・Ⅱが、午後に面接などが行われます
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