受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

成城学園中学校

2021年9月2日(木)

「国際教育」「理数系教育」「情操教育」を三本柱とした教育改革を推進

 世田谷区成城に約4万坪の広大な敷地を構える成城学園は、一つのキャンパスに幼稚園から大学院までを擁しています。明治期の教育制度の確立に尽力した文部官僚の澤柳政太郎が「本当の教育」をめざして、成城小学校を設立したのが1917年のことです。子どもたちの自発的な活動を大切にした教育が保護者たちの支持を受け、現在のような総合学園に発展しました。

 オンラインで行われたこの日の説明会の冒頭、入試広報部長の青柳圭子先生は、創立以来、同校が大切にしている「天分を伸ばす」「自学自習」「自治自立」の精神に触れ、「生徒たちを型にはめるのではなく、一人ひとりをよく観察し、それぞれの天分を伸ばすように導くのがわれわれ教員の役目だと考えています。また、さまざまな探究学習の授業や行事などでは、自学自習や自治自立できる機会を取り入れ、人間的な成長を促すとともに、みずからの個性を磨く力を養っています。そして、生徒自身があらゆることに問題意識を持ち、解決に導けるように成長することが本校の願いです」と話しました。

 同校は2017年に創立100周年を迎えたことを機に、「国際教育」「理数系教育」「情操教育」を「未来を拓く三つの柱」として教育改革を推進しています。まず、国際教育では、主に英語教育に力を注いでいます。たとえば、「グローバルゾーン」といった英語の授業専用施設の設置、iPadを使った自宅でのeラーニングの活用、オンライン学習サービスの導入、英検®やTOEFL®をはじめとした検定受検の奨励などによって、さまざまな角度から英語を学べる環境を整備し、4技能をバランス良く鍛えています。理数系教育では、実験・観察を通して論理的思考力を育むことを目的としています。たとえば、中1の理科では全部で八つある理科実験室を活用し、授業時間の3分の2を実験・観察に充てて、分析力や考察力を伸ばしています。

 生徒たちの身体的・精神的成長を促すための情操教育にも力を注いでいます。水泳訓練とライフセービング実習を兼ねた「海の学校」(中1)や、3000m級の北アルプスの山々に登る「山の学校」(中2)など、心身共に鍛えながら、仲間と協力して目標を達成できるような行事が行われています。

 高校では、修学旅行の代わりに全学年が自由に参加できる課外教室を実施しているのも特徴です。これは3年間で最低1回の参加が条件で、希望すれば何回でも参加できます。なかには、3年間毎年、同じ瀬戸内のサイクリングのプログラムに参加している生徒もいるそうです。このほか、クラブの数も多く、充実しているとのことです。「好成績を残しているクラブも少なくありません。しかし、それよりも大切なのは先輩と後輩とのつながりや、自分の拠点となるような居場所をつくることです。本校ではそこを第一と考えてクラブ活動を奨励しています」と青柳先生は強調しました。

 カリキュラムは、中高6年間を2年ごとに区切った3ステージ制となっています。中1・2では基礎・基本の充実を目標に、自学自習の習慣を定着させることに注力します。中3・高1では応用・発展として、主体的な学びも重視され、探究教育・選択授業がスタート。高2・3では、進路別に3コースに分かれ、演習科目なども設定し、自己実現へと導きます。また、中学では、定期試験前の1週間を、補習を行う「R週間」とし、学習の遅れがちな生徒をきめ細かくサポートしているとのこと。試験の前に実施するので、補習の成果を本番で発揮できます。

 留学制度については、中3の希望者を対象に2週間のオーストラリア短期留学を実施。高校では、姉妹校提携をしているアメリカのメリーランド州マクダナ校やカリフォルニア州ジェイセラ校などとの交換留学制度もあります。なお、長期留学して帰国した場合は、「一定の条件を満たせば、元の学年に戻ることができます」という説明もありました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 2018年4月にはグラウンドの人工芝化が完了し、内外ともに施設が一新されました。また、同敷地内の成城大学には、例年約半数ほどの卒業生が進学しています。同大学への被推薦権を保持したまま他大学を受験することもできます

www.seijogakuen.ed.jp/chukou/ 別ウィンドウが開きます。

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