受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

茗溪学園中学校

2021年9月3日(金)

国際色豊かな環境で「一人の生徒にすべてを」をモットーとする文武両道を実践

 茨城県つくば市にある茗溪学園中学校高等学校は、国際研究都市・つくばで勤務する研究者の子弟に質の高い教育を受けさせることを目的として、筑波大学やその前身である東京教育大学・東京文理科大学・東京高等師範学校などの同窓会「茗渓会」が設立母体となり、1979年に設立されました。建学の理念として、「人類ならびに国家に貢献しうる『世界的日本人』を育成すべく 知・徳・体の調和した人格の形成を図り 特に創造的思考力に富む人材をつくる」を掲げ、正しい選択力と決断力、たくましい実行力、そして豊かな心の育成を重視した全人的・総合的教育が実践されています。

 この日のオンライン説明会は、入試部長の松崎秀彰先生による校内案内からスタートしました。ウェブカメラを手にした松崎先生は、中学と高校の各校舎をはじめ、4分野ごとの理科実験室やプラネタリウム、二つの体育館、人工芝のラグビーグラウンド、テニスコート、学生寮、食堂などの充実した設備を次々に紹介。校舎の壁や廊下の各所で、生徒が制作した精巧な美術作品を確認することもできました。2020年4月には美術や家庭科といった実技系の授業を行う「スコーラ棟」も完成しています。

 続いて、実際の教育内容の説明がありました。「一人の生徒にすべてを」というモットーの下、さまざまな分野で生徒一人ひとりの力を伸ばす学びが大切にされています。同校は帰国生が多く、およそ40の国と地域から集まった約340名の生徒が在籍しています。全校生徒の4.5人に1人が帰国生という国際色豊かな学習環境の下、海外大学への進学実績もあります。生徒寮も併設されており、留学生を含め、多様なバックグラウンドを持つ生徒たちが共同生活を通じて自他を尊重する精神を育んでいます。

 中学は6クラス編成で、このうち2クラスが2021年に新設された「アカデミアクラス(AC)」です。ここでは幅広い分野の教養に基づく「批判的・創造的・実践的な思考力」を育むことが重視されており、知識の暗記に偏らずに「なぜそうなのか?」「本当にそれは正しいのか?」といった探究的な学びを通して、「知」を武器に次世代を生き抜く力を養います。なお、従来の普通コースは4クラスで、「茗溪ジェネラルクラス(MG)」と改称されました。いずれのクラスでも、中高6年間を通じて探究的な学びが行われ、その集大成として高2で「個人課題研究」に取り組みます。また、2011年からスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている同校は、科学技術にまつわるイベントもたくさん実施しています。

 国際教育にも力を入れています。2016年に「国際バカロレアディプロマ・プログラム(IBDP)」の認定を受け、2017年より、高校で「IBDPコース」がスタートしました。その準備段階として、中学では英語の抜き出し授業を行う特別クラスである「グローバルクラス」が設置されています。これはACとMGの両方で開講され、高い英語力を維持・発展させながら、国際バカロレアにも対応した学習に備えていきます。

 行事が豊富なことも同校の特徴の一つです。中1・2年生の宿泊行事はキャンプです。自然の中で過ごし、自炊しながらフィールドワークのような活動も行います。中2では20㎞の道のりを協力しながら目的地まで歩く3泊4日の筑波山キャンプがありますが、これも恒例です。また、男子はラグビーを、女子は剣道を「校技」として体育の授業で週1回取り組むほか、「突寒ラグビー」や「剣道寒稽古」などのユニークな行事もあります。「文武両道を実践して好きなことを見つけ、それを軸にみずからを充実させてください」と松崎先生は語ります。

 2022年度入試は、前年度と同様にACとMGとに分けて実施されます。松崎先生は「ACからMGへのスライド合格もありますので、ぜひ挑戦してください」と受験生にメッセージを送りました。

イメージ写真 JR常磐線「ひたち野うしく」駅、つくばエクスプレス「研究学園」駅からキャンパスまで、スクールバスが運行中。2020年には芸術棟の「スコーラ棟」も完成しました

www.meikei.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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