受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

中央大学附属横浜中学校

2021年9月4日(土)

「謝恩礼節」「自立実践」を掲げ、生徒の自主性を尊重する教育を実践

 2010年に中央大学の附属校となった中央大学附属横浜中学校・高等学校は、横浜山手女子中学校・高等学校を前身としています。長らく女子校でしたが2012年に中学が男女共学化され、2013年には現在の港北ニュータウンに移転すると同時に、現校名に改称されました。そして、2014年には高校も共学校に移行しました。

 この日の説明会はオンラインで開催されました。同校では校訓である「謝恩礼節」「自立実践」を軸に、感謝の心や思いやりを忘れず、主体的に考えて行動する学びが大切にされています。中央大学が掲げる実学の伝統を継承する一方、家庭的な校風のなかで知性を高めて豊かな徳性を養い、心身ともに健全で自立した人間の育成をめざしています。

 そうした方針から、学園祭や体育祭などの行事は自主性を発揮する場として生徒自身が計画・運営します。説明会に登場した広報部の寺戸哲也先生は、「こうした行事は先輩・後輩・同級生との交流を深め、コミュニケーション力、自主性、協調性などを育む絶好の機会です」と話します。また、鎌倉校外研修(中2)や京都・奈良研修旅行(中3)などの行事は「班別自主行動」となっていて、グループごとに計画を立てて活動します。寺戸先生は「準備の段階から旅行委員が中心となり、生徒たちがみずから考えて行動することによって人間的にも成長します。こうした体験を積み重ね、社会の発展と幸福に寄与する人間性と行動力を備えた人物に育ってほしいと考えています」と語りました。

 1クラスの人数は約40人で、2021年春に入学した中1の生徒数は、男子が82人だったのに対し、女子は117人でした。寺戸先生は「6割近くが女子ですが、学校行事の場面では男子の活躍も目立ちます。男女を問わず、どの生徒も素朴で素直です。まじめな性格の子が多いという印象を受けます」と述べました。

 中央大学とはさまざまなかたちで連携・交流を図っています。中央大学の学部・学科ガイダンスや、学年単位での大学訪問があるほか、大学の教員による学問講座なども実施されます。「附属生だけを対象としたキャンパスツアーやオープンキャンパスも開かれます。自分の将来を強く意識させ、学問に対する興味・関心を引き出すことが狙いです」と寺戸先生は話します。

 グローバル人材を育む国際理解教育にも力を注いでいます。コロナ禍で、昨年、今年と実施できていませんが、中2では希望者を対象としたニュージーランド海外研修があり、高2の研修旅行は全員でシンガポール・マレーシアを訪れ、現地の大学生と交流を図りながら幅広い視野を培います。

 高2からは文系・理系に分かれ、高3ではさらに国公立コースと私立コースとに分かれます。卒業生の約75%が内部推薦で中央大学に進学しますが、理系選択者が進学できるのは理工学部と国際情報学部の2学部ということもあり、一般受験も想定した進路選択が行われるそうです。他大学受験のための併願制度も整い、国公立大学受験者および中央大学にない学部・学科を希望する私立大学受験者は、内部推薦権を保持したままチャレンジすることも可能です。一方、文系選択者は成績基準をクリアすれば理工学部以外のすべての学部を選択でき、「内部推薦枠が不足した年度は過去にはない」とのことです。寺戸先生は「6年間でしっかりと基本的な学力を充実させ、大学へと送り出すようサポートしています」と述べました。2021年春の卒業生は、中央大学に226名が進学しました。他大学への合格実績については、東京工業大学3名、一橋大学2名、横浜国立大学13名、早稲田大学18名(現役17名)、慶應義塾大学15名(現役11名)となっています。

 部活動も「自立実践」をモットーに生徒主体の活動が尊重され、全体で8~9割の生徒が加入しています。運動系では陸上部、バスケットボール部、サッカー部、ワンダーフォーゲル部、バトン部、ダンス部、文化系では吹奏楽部などの活動が盛んです。学業との両立が重視され、「活動は午後5時30分まで、午後6時に完全下校」というルールがあります。

イメージ写真 横浜市営地下鉄「センター北」駅より徒歩7分の好立地。校舎は明るく開放感があり、人工芝グラウンド、体育館、トレーニングルーム、図書室、ランチルーム、自主学習ができる総合学習コーナーなどの施設・設備が充実しています

www.yokohama-js.chuo-u.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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