受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都立立川国際中等教育学校

2021年9月4日(土)

幅広い教養と高い語学力をつけ、成熟した人格と国際感覚を磨く充実した6年間

 都立中高一貫校のなかで校名に唯一「国際」を冠する東京都立立川国際中等教育学校。2008年に創設されて以来、幅広い教養教育と多彩な国際教育、充実した英語教育を推進しています。

 説明会の冒頭、校長の幸田諭昭先生は「本校は国際教育に力を注いでいますが、普通科の学校です。難関大学への進学をめざしながら、身近に世界を感じられる機会が多い学校としてとらえてください」と述べました。次に、同校の教育目標である「国際社会で貢献できるリーダーとなるために必要な学業を修め、人格を陶冶する」を紹介した幸田先生は、「このなかでも特に重視しているのが、物事の本質を見抜くための力の基盤となる『学業』と、心身を鍛え、物事を正しく適切に判断できる『人格』です。周囲の人々と信頼関係を築きながらコミュニケーションツールとしての英語を使いこなすことで、真の教養人を育てていきます」と話しました。

 こうした目標を実現するために、同校では、“Road To Global Citizens ~Think Globally, Act Locally~(地球規模で足元から考え、世界市民へ)”という学校方針「Tachikoku Grand Design」の下、教育理念「立志の精神」「共生への行動」「感動の共有」を柱に、特色ある教育を実践しています。その核となるのが「教養主義」「国際教育」「自己実現」の三つです。

 一つ目の「教養主義」では、高校2年生に当たる5年生までは、文系・理系に分けることなく、共通のカリキュラムで学びます。思考力や表現力を培う深い学びをめざして、主体的・対話的な授業を実践しており、4年生(高1)からは第2外国語が選択できるほか、東京大学をはじめとする大学との高大連携を推進し、各大学による教養講座を開講。2020年度からは、東京大学の「高校生と大学生のための金曜特別講座」を受講することができます。

 二つ目の「国際教育」については、都立校のなかでもトップクラスの6名のネイティブ教員が在籍し、英語の授業はオールイングリッシュで進行します。ICTを活用して習熟度別に少人数制で行うアクティブラーニングも積極的に取り入れているのが特徴です。留学については、新型コロナウイルス感染症が流行する前は年間約10名が参加していました。このほか、英語発表会、文化祭で上演する英語劇、英語合宿、海外研修など、学校行事のさまざまな場面のなかに英語力を磨く機会が豊富に設けられています。また、東京都教育委員会により「東京グローバル10」指定校とされており、ケンブリッジ英検®やTEAPに生徒全員で挑戦します。英検®については、高校卒業までに準1級の取得を目標に掲げ、毎年90名前後の合格者を輩出しています。

 三つ目の「自己実現」に向けては、同校では「寄り添い、あきらめさせない指導」を進路指導の方針として掲げています。前期課程(1~3年生)では、職業理解講座や職場体験を通して勤労観や職業観を育みます。後期課程(4~6年生)では、大学の教員による出前授業を実施するほか、卒業生が大学での研究内容を紹介するなど、大学との連携によって進学への意識を高めます。このような系統的なキャリア教育を通して、難関大学への現役進学をめざしており、今春も卒業生149名のうち、132名が現役で大学進学を果たしました。幸田先生は「約半数が国公立大学に合格しています。文系が6割、理系が4割ですが、幅広い学部・学科に進学しているのが特徴です」と説明しました。

 約2割の生徒が海外からの帰国生や在京外国人生徒である同校には、異文化で育った生徒たちと授業・行事・部活動などの時間を共有することで国際感覚を養う環境が整っています。幸田先生は最後に「世界にいちばん近い学校『立国(たちこく)』で、ぜひ、グローバルマインドを育ててください」とメッセージを送りました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 緑豊かな立川市にあるキャンパスでは、春には美しい桜が楽しめます。JR「立川」駅から徒歩20分ほどの距離で、バスも出ていますが、徒歩で通う生徒も多いそうです

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