受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

穎明館中学校

2021年9月6日(月)

教育改革「EMK未来プロジェクト」を推進し、社会に貢献できるリーダーを育成

 豊かな自然に囲まれた、八王子市南部の4万坪にも及ぶ広大な校地に、1985年に高校が、その2年後に中学が開校した穎明館中学高等学校。「国際社会に羽ばたく真のリーダーを育成する」という教育理念の下、2019年から学校改革「EMK未来プロジェクト」が始動しました。

 説明会の冒頭で、校長の橋本好広先生は、最近、感慨深かったこととして、「昨年、EMK学校祭(文化祭・体育祭)が開催できたこと」を挙げました。新型コロナウイルス感染症の流行により、開催は難しいと考えられていましたが、生徒たちから「先輩から受け継いだ行事を後輩に引き継ぎたい」「日ごろの努力の成果を発表したい」といった開催への熱い思いが訴えられ、打開策を生徒から提案されたそうです。最終的には最大限の感染対策をとり、開催することが決まりました。橋本先生は「生徒による創意工夫は現在求められている『正解のない問いに対する探究活動』そのものでした」と語りました。

 また、中高6年間で自立心を育む「生徒主体の教育」について、橋本先生は「本校が育てたいのは、自分自身と真剣に向き合い、考えることができる生徒、興味のある分野で世のため人のために最大限の貢献をしようと努力できる生徒です。学習面ではきめ細かい指導を通して『ていねいに鍛える』ことを大事にしています」と話しました。

 次に、入試広報部部長の斉藤直道先生からは、学校改革「EMK未来プロジェクト」に関する詳しい説明がありました。3年前からスタートしたこのプロジェクトは、「高い学力」と「成熟した人間力」の形成を目的としています。EMKとは、Experience(経験)、Morality(道徳)、Knowledge(知識)の頭文字で、プロジェクトの指針となっています。斉藤先生は、この改革で特に重視している三つの柱について紹介しました。

 一つ目は、「進学指導の進化」です。中3の1クラスをアドバンストクラス(AC)として、ほかの4クラスをスタンダードクラス(SC)とします。ACではハイレベルな授業を実施する一方、SCでは手厚くきめ細かい指導を徹底しています。また、高1の英語・数学の授業は習熟度別に行われます。高2からは文系・理系に分かれ、国語・理科も習熟度別クラスで学ぶようになります。

 二つ目は、「放課後学習支援の強化」です。チューターが常駐する放課後学習支援センター「EMK未来館」を無窮館(図書館)の中に設置し、自学自習を手厚くサポートするための放課後学習支援システム「EMK未来サポート」を導入しました。中1・2は原則として全員が登録します。なお、オプションで完全個別指導や英検®の対策学習にも対応しているそうです。

 そして三つ目が「グローバル教育の活性化」です。開校以来、自国理解の上に立った異文化理解をめざし、国際的視野の育成に力を注いでいます。たとえば、中1・2の英会話は1クラスを2分割した少人数制で行い、ネイティブ講師から指導を受けます。また、高1では第二外国語として中国語・フランス語も選択できるようになっているほか、例年であれば高1全員が2週間のUSA・カナダ体験学習に出掛けるなど、数多くの海外研修の機会が用意されています。

 続けて斉藤先生は「今年の中1からは、1人1台のタブレット端末の活用がスタートしました。SDGs(持続可能な開発目標)を題材として取り組むEMK探究プロジェクトに取り組んでいます」と結びました。

 2022年度入試の変更点としては、2月4日午前の第4回が「総合入試」となり、総合Ⅰ(国語・社会)と総合Ⅱ(算数・理科)の2科目で実施されることが挙げられます。斉藤先生によると「問題の内容は、融合問題や適性検査型ではなく、それぞれ2科の総合版です。受験生の負担軽減を目的としています。詳しくは、学校ホームページの入試要項をご確認ください」とのことです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 EIMEIKAN BRIDGEと名付けられた橋を渡った先に広がるのは、広大な校地。室内温水プールや人工芝グラウンドなどの運動施設が特に充実しています

www.emk.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ