受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

聖セシリア女子中学校

2021年9月9日(木)

調和のとれた「心と力」の教育で、「幸せな人」づくりをめざす

 教育者・伊東静江によって1929年に設立された大和学園を起源とする聖セシリア女子中学校・高等学校。創設者がカトリック信者であったことから、カトリック精神の宗教教育を基盤とし、「信じ 希望し 愛深く」の校訓の下、自分らしくみずからの力で将来を切り開くことのできる「幸せな人」づくりをめざしています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会の冒頭、入試広報部長の大橋貴之先生は「幸せな人生を送るためには、知性や知識などの『力』と、その力を何のために役立てるのかを考える『心』が必要です」と述べ、「心と力」をバランス良く伸ばす同校の教育活動について説明しました。

 週5日、32コマの授業で確かな学力を培うカリキュラムには、同校ならではの科目が豊富に設定されています。英語でミュージカルの発表に取り組む中1・2の「イングリッシュエクスプレス」もその一つ。「プロの演出家が講師となり、指導も英語で行われます。英語の台詞や歌を通して、生徒たちは正しい発音を覚え、楽しみながら表現力を身につけています」と大橋先生は話します。また、福島県のブリティッシュヒルズで行うイングリッシュキャンプ(中2)や、Tokyo Global Gateway研修(中2~高1の希望者対象)を実施。新型コロナウイルス感染症のため昨年と今年は実施できませんでしたが、カナダ語学研修(中3~高2の希望者対象)など、さまざまな英語体験学習の機会があります。

 同校の特色でもある芸術教育については、授業のみにとどまらず、行事や部活動でも活発に行われています。全国的にも珍しいクラシックバレエ部があり、放課後には有名なバレエ団の講師による本格的なレッスンが受けられるとあって、約2割の生徒はバレエを目的に同校に入学してきたそうです。

 6年間を三つのブロックに区切り、発達段階に応じた学習を行っていることも紹介されました。Aブロック(中1・2)は「スロースタディ」をキーワードに、スピードよりも興味・関心を重視した学びを記録する「レコーディングスタディ」で家庭学習の習慣化を図ります。一方で、生徒の人間関係づくりをサポートするため、「エンカウンター」として、自分を素直に表現し合い、互いを認め合うグループワークなどを体験させています。こうして、学校生活の土台となる信頼関係を築きます。Bブロック(中3・高1)は反復によって基礎学力を定着させる「リピートスタディ」、Cブロック(高2・3)では、「チャレンジスタディ」をキーワードとして、志望校合格に向けての力をつけていきます。

 具体的には、学習ソフトを活用して進路カルテを作成し、一人ひとりにきめ細かい対応を行います。放課後の補習、長期休み中の講習、勉強合宿のほか、週1回の小テスト「S.T.(ショートタイム)」も実施しています。特に効果が高いのが、年間50以上の講座を開講する「土曜講座」です。麻布大学と連携して最先端の技術に触れる「科学実験プレゼンテーション講座」や、全学年共通の資格対策講座もあり、複数の講座を受講することも可能です。

 進路指導については、延べ80時間以上のキャリアプログラムが中1から実施されます。自分の能力や適性を発見し、それを周りの人のために生かす生き方が大切だということも学びます。128校600名以上の指定校推薦枠がありますが、生徒の約6割は一般入試にチャレンジします。

 最後に、大橋先生は家庭的な温かさのある校風に触れ、「この校風を作り出しているのは、人と人とのつながりです。身近にいる人に思いやりの心を持って接し、誰からも『この人がいて良かった。この人がいたから今の自分がある』と思ってもらえるような『幸せな人』を、本校は育てています」と語りました。

イメージ写真 小田急江ノ島線「南林間」駅徒歩5分。または東急田園都市線「中央林間」駅徒歩10分。卒業生の1割以上が芸術系に進学している同校の校内には、随所に生徒の作品が飾られています

www.cecilia.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ