受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

横浜中学校

2021年9月7日(火)

グローバル教育を推進し、21世紀を生き抜く力を持った青少年を育成

 1942年、教育者の黒土四郎により旧制横浜中学校として設立された横浜中学校・高等学校。高校が2020年度に共学化されたことで、男子校である中学校の教育も大きく変わりました。中学から入学する一貫コースでは、開校以来受け継いできた男子校の伝統を守りながらも、生徒は行事やクラブ活動では高校の女子とも一緒に活動することになります。

 この日のオンライン説明会では、教頭兼入試広報部長の館山和央先生が教育内容について説明しました。同校では、「信頼を受くる人となれ」「責任を重んぜよ」「秩序を守れ」の三条と、「誠意」「総力」「努力」「創造」「忍耐」の五訓からなる「三条五訓」を建学の精神に掲げています。開校当時の「強い男子の育成」という方針から硬派なイメージを持たれがちですが、高校の男女共学化を契機に、「女子と交流する男子校」という新たな教育スタイルを打ち出しています。

 一貫コースでは、「21世紀を生き抜く力」を基本コンセプトに、「グローバル的視野をもった、思いやりあふれる紳士で性格雄大な男子の育成」を目標とした教育を行っています。そのため、グローバル教育には力を入れています。なかでも、館山先生が「日本初の試み」とアピールするのが、海外の2年制・4年制大学との高大接続提携により、高校卒業後に海外大学に進学できるシステムです。これは、在学中または卒業後に、「グローバル・エリート・プログラム」という1~2週間の体験プログラムに参加すると、英検®2級を取得することと、入学前に現地で8週間の準備講座を受講することを条件に、提携大学への進学が保証されるものです。接続提携校は、アメリカ、フィリピン、オーストラリア、カナダ、台湾などに計10校あり、今後はヨーロッパにも拡大する計画だそうです。館山先生は「現在は新型コロナウイルス感染症の流行により実施が困難な状況ですが、今後の道筋をしっかりと整えているところです」と話しました。

 学習面では、「当たり前のことを当たり前にできるように」という考え方の下、夢を実現するための確かな学力を育成します。中1・2では、少人数指導で学習習慣と生活習慣を定着させ、中3・高1では、国語・英語・数学の習熟度別授業で理解力・応用力を確立します。高2・3では文系・理系に分かれ、大学受験に向けた実戦力の向上を図っていきます。高校から入学した生徒とは、カリキュラムは基本的に別になりますが、一部の選択科目などでは一緒に授業を受けることもあるそうです。

 学習サポートも充実しています。放課後にはYSAP(Yokohama Study Assist Program)という学習支援プログラムによる少人数制の補習講座を開講しています。この夏には全教室にWi-Fiを完備し、AI教材を使って宿題や自習に取り組めるようになりました。高2以降は、英語の授業をネイティブ教員と日本人教員がチームティーチングで行う「GP(グローバルパスポート)」の授業も受けられます。英語を英語で学ぶため、高1時に英検®準2級以上を取得し、かつ英語の成績が一定の基準に達した生徒が対象となっています。

 学校行事は、横校祭(文化祭)、駅伝大会、スポーツ大会などがあり、生徒たちは学年を超えて大いに盛り上がるそうです。また、高校野球の強豪校でもある同校ならではのイベントが、「高校野球全校応援」です。横浜スタジアムや甲子園で全校生徒が一丸となって硬式野球部に熱い声援を送り、愛校心が育まれていきます。

 2022年度の一般入試は、第1回が2月1日午前、第2回が2日午後、第3回が3日午後に行われます。いずれも2科・4科の選択制で、2日と3日の午後入試では、試験当日でも4科から2科への変更が可能です。詳細は同校ホームページの募集要項をご確認ください。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 京浜急行線「能見台」駅から徒歩約2分という恵まれた立地も魅力。校舎はリノベーションが進み、全教室にWi-Fiを完備しています。食堂もリニューアルされました

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