受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

藤嶺学園藤沢中学校

2021年9月8日(水)

「日本人らしさ」を重視したグローバル教育で、国際社会で必要とされる男子を育成

 時宗総本山 清浄光寺(遊行寺)の僧侶養成機関「時宗宗学林」を前身とする藤嶺学園藤沢中学校・高等学校。「質実剛健」「勇猛精進」を建学の精神とし、21世紀の国際社会でリーダーシップを発揮できる、“打たれ強い男子”の育成をめざしています。

 オンライン説明会の冒頭、学校長の佐野健先生は、同校の106年の歩みに触れながら、「時宗の開祖である一遍上人の教えの『他者を思いやる心』を大切に、旺盛なチャレンジ精神を持ち、時代の変化に対応できる男子を育てることが本校の願いです。コロナ禍においても、生徒一人ひとりをしっかりと支え、成長を見守り続けたいと考えております」と述べました。

 次に、入試対策部長の島貫和夫先生から、学校生活について説明がありました。キャンパスは遊行寺境内に隣接し、生徒は本堂の前を通って登校します。島貫先生は、重視しているグローバル教育について、「その原点は、国際社会で必要とされる日本人としての意識を培うことにあります」と強調します。

 自国の文化を学ぶために、茶道を6年間、剣道を5年間必修としています。礼儀作法、物を大切にする心、節度ある対応の仕方、美しい所作、おもてなしの心など、日本人としての美徳を学ぶのが狙いです。中学校卒業時と高校卒業時には、茶道での学びの集大成として「卒業茶会」を開催します。この会のために、美術の授業では1年間をかけて茶碗を作り、みずからの筆で掛け軸を制作します。当日は保護者を招待し、生徒のお点前(てまえ)でお茶を振る舞いますが、「わが子の成長した姿に、涙ぐまれる保護者の方も多くいらっしゃいます」(島貫先生)とのことです。

 一方で、語学力やコミュニケーション力の育成にも取り組んでいます。中1の体育は、ネイティブ教員が英語で授業を行うほか、中2以降は週2コマの英会話を実施します。中3で英語レシテーションコンテストを、高校では英語スピーチコンテストを行うなど、楽しみながら英語に親しむ授業を実践しています。また、希望者は中国語の講座を選択することもでき、アジア圏を含めたグローバルな視野を育成していきます。

 日本人として当たり前のことを継続して身につけるための「習慣づけ教育」も重視しています。たとえば、時間を守ることを意識するために、始業時・終業時などにチャイムを鳴らさないノーチャイム制を採用しています。また、ロッカーには鍵を付けず、いつ見られても恥ずかしくないよう整理整頓を促します。さらに、毎日の学習や生活は「生活ノート」で自己管理します。一日の感想などを書き込んで担任の先生に提出すると、コメントとともに返却されます。こうして教員と生徒間のコミュニケーションを図り、生活リズムを整えるのに役立てているのです。

 中学校の部活動は週3日(月・木・土)までとし、それ以外の日の放課後は、「TASL(Torei After School Learning)」という自学自習プログラムを実施しています(中1は必修、中2・3は希望制)。午後3時40分から2時間、全員が宿題や予習・復習を行うことで、自学自習を徹底して習慣づけます。また、高2までは全員が共通カリキュラムで学び、高3から文系・理系に分かれて学習します。こうした取り組みの結果、国公立大学への受験者・進学者も増えてきているということです。島貫先生は「本校では、男子らしく、日本人らしく成長することを重視した教育を行っています。自分の居場所を見つけ、自分探しに没頭できる環境で、生徒はさわやかな好青年へと成長していきます」と結びました。

イメージ写真 名刹・遊行寺に隣接したキャンパスには、二つの人工芝グラウンドをはじめ茶室・陶芸室・武道場・新学生食堂などがあります

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