受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

安田学園中学校

2021年9月13日(月)

「探究」「人間力」を軸とするサポートで、グローバル社会に貢献する力を養う

 校訓として「誠実・明朗・奉仕」を掲げる安田学園は、かつての四大財閥の一つ安田財閥の創始者・安田善次郎翁によって1923年に開設された東京保善商業学校を前身とする進学校です。「実業界の有用な中堅人物の育成は、社会発展の基礎である」という創立者の遺志のもと、実業界やスポーツ界に広く人材を輩出しています。長らく男子校でしたが、2014年に中学・高校ともに共学化されました。

 説明会に登壇した校長の稲村隆雄先生は、「進みゆくグローバル社会に対応するため、本校では新たな教育目的として『国内外の社会で有用となる人材の育成』を設定しました。この目的を達成するために、2012年より『自学創造』という教育目標を掲げ、みずから考え学び、創造的学力・人間力を身につけ、グローバル社会に貢献できる人材の育成をめざしています」と語りました。

 こうした目標の実現に向け、今年度から中高6年間の学びについて、2年ごとの3ステージ制をとり、それぞれの成長段階に合わせた指導を実践しています。中1・2は自学自習の姿勢と規則正しい生活リズムを身につけ、論理的思考力の基礎や社会貢献をめざす「人間力」の礎を培うことが目標とされています。また、学習面のみならず、すべての教育活動において、その達成度について測定するルーブリック評価表を導入して、客観的な指標をもって自己評価する習慣を養い、自己肯定感の確立を促しています。

 希望進路の実現に向けた「学校完結型の学習環境」も充実しています。中学は2コース制で、グローバルな探究力を培って最難関国立大学への進学をめざす「先進コース」と、高度な総合力によって国公立大学や難関私立大学をめざす「総合コース」とがあります。いずれのコースでも中3の1学期までに中学の内容を学び終え、2学期からは高校の学習に入ります。高3の授業は実戦的な演習が中心となります。今年度の中1は先進コースが4クラス、総合コースが2クラスで、在学中の成績によってコース移動も可能です。中高一貫生と高校からの入学生はカリキュラムが異なるため、同じクラスにはなりませんが、部活動や学校行事のほか、各種講習などでは交流があります。「中高6年間で人間関係をじっくりと深め、学校行事や部活動などさまざまな体験に挑戦して、自己肯定感を高めてほしいと願っています」と稲村先生は強調しました。

 続いて、副校長の仁木健嗣先生が実際の教育内容を紹介しました。同校では「学び力伸長システム」として、中1から高2の2学期まで、自学自習の姿勢を身につけるためのさまざまな取り組みを行っています。たとえば、始業前には英語・数学の習熟度チェックテストを実施して、合格点に満たなかった生徒は、放課後に補習を受講します。また、定期試験前の1週間を「独習ウィーク」として、計画を作成して学習させるとともに、定期試験後には振り返りを行い、各学期末の「独習デー」でも弱点克服に取り組みます。「しっかりとサポートしながら、自律した学習者へと導くていねいな指導が本校の特徴です」と仁木先生は話します。

 思考力・判断力・表現力を磨く「探究プログラム」にも力を注いでいます。「探究」の授業は、疑問→仮説→検証という思考の型を身につけるプレゼンテーション形式で行われ、中1・2の「野外研究」や中3の「地域研究」を経て、高1では「個人研究」に取り組み、高2では「グローバル探究」を行います。また、英語教育も重視しており、中学ではネイティブ教員による英会話の授業が多く実施されています。加えて、全学年で導入している週1回のオンライン英会話では、マンツーマンのレッスンを通じて、表現力とコミュニケーション能力を鍛えています。中学卒業までに、先進コースでは9割の生徒が英検®準2級以上のレベルに到達するそうです。これらの取り組みの成果は大学合格実績の伸びにも反映され、今春は現役だけで、京都大学(1名)を含む国公立大学に52名、早慶上理ICUに63名、GMARCHに126名がそれぞれ合格しています。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 都営大江戸線「両国」駅より徒歩3分、JR総武線「両国」駅より徒歩6分。9階建ての校舎からは、眼下に旧安田庭園の豊かな緑を望むことができます

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