受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

淑徳与野中学校

2021年9月14日(火)

未来につながるキャリア教育で、「夢の実現」を応援

 1892年、尼僧の輪島聞声(わじまもんじょう)先生が小石川伝通院境内に開設した淑徳女学校。その分校が1946年に埼玉県の与野(現在のさいたま市中央区)に設立され、これが1948年に淑徳与野高等学校となりました。中学校が開校したのは2005年です。埼玉県有数の女子進学校として知られる同校は「女性の淑徳(よい徳を身につけること)を養成する」という建学の精神を大切に受け継ぎ、仏教主義に基づいた情操教育を実践しています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、あいさつに立った副校長の黒田貴先生は、淑徳与野の三つの教育方針である、①高い品性を育成する仏教に基づく「情操教育」、②豊かな感性を育成する「国際教育」、③輝く知性を育成する「学習指導」について詳しく説明しました。

 まず、「情操教育」では、心の教育の充実を強調します。仏教精神は120年の伝統を誇る建学の精神であり、週1コマの「淑徳の時間」、年4回の仏教行事などを通じて、謙虚な心や、互いを思いやり、助け合って生きる「共生(ともいき)」の精神を学びます。

 「国際教育」については、アメリカやイギリスなど世界8か国・地域の姉妹校や提携校と連携したさまざまな国際交流プログラムがあります。中2での台湾海外研修では、姉妹校の生徒たちとコミュニケーションを図り、中3での奈良・京都の修学旅行では日本を知ることで、国際感覚の豊かな生徒を育てます。高2ではアメリカ西海岸への修学旅行があり、生徒たちは海外での体験を通して視野を広げ、異文化理解を深めます。

 「学習指導」については、中高一貫のカリキュラムを編成し、先取り学習や習熟度別の授業を行っています。黒田先生は「本校には中学生のみが参加する文化祭『なでしこ発表会』をはじめ、中3がリーダーシップを発揮して活躍できる行事が数多くあります」と話します。「高校になると、1学年のクラス数が3クラスから9クラスに増え、校舎も変わります。外部から新たな生徒が入学してくることで中高一貫生は刺激を受けますが、これには『中だるみ』を防ぐ効果があります」と結びました。

 次に、中等部教頭の小澤幸子先生から学校生活と学習についての説明がありました。授業は月~金の週5日制で、土曜日には、年間14回の「土曜講座」が実施されています。ここでは、茶道、ヨガ、中国語などの専門講座を受講できます。また、授業についていけない生徒を出さないように、きめ細かい学習指導を行っています。内容の濃い授業を展開し、小テストで確認するというサイクルを繰り返します。まだ十分な学力が身についていない生徒には、補講・学習サポート、長期休暇期間中の特別指導などでバックアップをしています。

 さらに、考える力や表現する力を伸ばす取り組みにも力を注いでいます。創立以来続けられている「創作・研究」では、みずから選んだテーマや人物の研究などに1年かけて取り組み、全員の作品を2月の「芸術研究発表会」で展示・発表しています。

 このほか「キャリア教育」では、段階的に、社会における自己の役割を認識し、主体的に将来設計をしていく姿勢を育てます。中3では、大学キャンパス見学ツアーを実施しており、大学受験に向け、スムーズなスタートが切れます。小澤先生は「今春の大学現役進学率は96.6%で、そのうちの約7割が国公立大学、医歯薬系学部、早慶上理、GMARCH以上の私立大学に実際に進学しています」と強調しました。

 最後に、中学入試についての説明がありました。2022年度入試は1月13日と2月4日の2回です。第1回入試は、本校会場と大宮ソニックシティ会場の2か所に分けて実施されます。受験会場は選択できますが、ソニックシティ会場が満員になった場合は、本校会場になります。第1回は、記述式の出題が増えていることもあり、各科目の試験時間が10分ずつ増えます。「社会と理科の問題は同時に配布され、同時に回収されるので、時間配分やどちらを先に解くかなどは事前に考えておくといいでしょう」などと、具体的なアドバイスも伝えられました。

イメージ写真 「慈心門」は「さいたま新都心」駅に最も近い位置にあり、多くの生徒が通学に利用しています。キャンパスには多数のグラウンドや弓道場があり、施設は非常に充実しています

www.shukutoku.yono.saitama.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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