受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

開智未来中学校

2021年9月1日(水)

「探究」「世界水準」「ICT教育」の力を高め、「知的集団の育成」をめざす

 2011年、さいたま市岩槻区にある開智中学・高等学校の姉妹校として開校した開智未来中学・高等学校。開智学園の理念でもある「創造・ 発信・貢献」を校訓に、「Inquiry(探究)」「Internationalization(世界水準)」「ICT(つなげる知能としてのICT活用)」の三つの力を高めることによって、自立・自律した知性を持つ「知的集団の育成」をめざしています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、広報部長の西木一男先生が教育概要と入試について解説する動画を流しました。同校ではクラスを習熟度別に編成し、東京大学をはじめとする最難関大学をめざす「T未来クラス」(特待生のみで構成)、国公立大学および難関私立大学をめざす「未来クラス」、「開智クラス」の三つに分けています。西木先生は「3クラスとも進度は変わらず、高1までは進級と同時にクラス替えもしているので、どのクラスの生徒も卒業するまでに大きく成長しています。今年は未来クラスからも東京大学への合格者を輩出しました。開智クラスからも早慶上理など最難関の私立大学に多数の合格者を輩出しています。このように、本校は、どのクラスに所属していても、出口(卒業時)が充実している学校です」と話しました。

 続けて、2022年度入試について紹介がありました。特徴的な入試が、1月10日午後のT未来入試です。試験科目は国語・算数・理科の3科で、合格者は全員が特待生として認定されます。また、開智中学が実施する計5回の入試のうち1月15日の先端2入試に出願する際、「開智未来の合否判定を希望する」を選択することで、開智中学と開智未来中学両校の合否判定が行われます。

 続いて、学校長の加藤友信先生が登壇。PISA(OECDが進めている国際的な学習到達度に関する調査)によると、2019年12月現在の日本の高校生の読解力が約10年前に比べて著しく低下しているという結果が出ました。このことについて加藤先生は「PISAでは、読解力の定義を『書かれたテキストを理解し、熟考し、これに取り組む力』と定めています。つまり、本を読む力だけではなく、さまざまな情報を組み合わせて読解する力が求められているのです。本校ではこうした力を育む取り組みにも力を注いでいます」と強調しました。具体的には、授業を通して「狙い・メモ・反応・発表・質問・振り返り」という六つの姿勢を身につけさせるとともに、「学びのスキル」を磨きます。聞く・読む・書くことで頭に入れる「インプット」→脳で考える「スループット」→話す・書く・発表する「アウトプット」という三つの過程を経て、学力を高めています。たとえば、授業では先生の板書は写さず、話したことを聞き取ってまとめ、それを頭のなかですばやく整理し、自分のことばでメモするよう指導しています。また、「ノートは5回読み返す」をモットーに、振り返りの学習を行い、理解力を深めています。

 開智学園が実践する「探究型の学び」にも力を入れています。たとえば、中1での「里山フィールドワーク」、中3での「探究フィールドワーク」では、探究活動に取り組むうえで基本となる「観察・発見・疑問・仮説・検証・考察」のスキルを磨きます。また、中2では、福島県のブリティッシュヒルズで英語合宿があり、高2ではスミソニアン博物館群で2日間、調査研究などを行う「ワシントンフィールドワーク」を体験します。

 最後に加藤先生は「一般的に学校は、学力で測れる認知能力を高めることに偏りがちですが、変化の激しい現代社会においては、やり抜く力や自制心といった非認知能力を向上させることも大切です。加えて、日本人に欠けている自己肯定感の育成も重要です。本校では、非認知能力・認知能力・自己肯定感の三つをバランス良く鍛え、生徒一人ひとりが希望の進路に向かって羽ばたけるようサポートします」と結びました。

イメージ写真 2021年3月の卒業生は東京大学2名、京都大学1名、東京工業大学1名をはじめ、国公立大学に50名、医学部医学科に9名が進学しました

www.kaichimirai.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ