受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

常総学院中学校

2021年9月14日(火)

「JOSO 未来 Skill」を伸ばし、変わりゆく社会に柔軟に対応できるリーダーを育てる

 茨城県土浦市にある常総学院は、1983年の創設当初は高校のみでしたが、1996年に中学校が併設されました。以来、国公立大学や難関私立大学進学を目標にした中高一貫教育を実践する一方、文武両道を重視し、変わりゆく社会に柔軟に対応できるリーダーの養成をめざしています。

 この日のオンライン説明会で、中学入試広報部長の佐藤秀彰先生は、「本校では『自己肯定力』『学力』『タフネス』を核として、これからの新しい社会に不可欠な英語力・異文化受容力・創造力・論理的思考力などの『JOSO 未来 Skill』を育んでいます」と述べ、具体的な教育内容を説明しました。

 中学開校当初から力を注いでいる英語教育については、週9コマある授業のうち4コマは10名のネイティブ教員によるCE(Communicative English)で、残りは日本人教員によるRE(Regular English)です。CEでは、1クラスを3分割し、10名以下の少人数制で学びます。入学直後に開催される“Nice to meet you campaign”をはじめ、ニュージーランドでの海外語学研修(中3)など、多彩な英語行事も実施。英字新聞の作成や発表などを通して、楽しみながら自然に英語力を高めていきます。佐藤先生は「中学入学時は、ほとんどの生徒が小学校でしか英語を学んだ経験がありませんが、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける以前の2019年には、中3生の約75%が英検®準2級を取得しています。本校の英語教育の成果が表れているといえるでしょう」と胸を張ります。

 職業観を養成する体験型プログラム「探究フィールド活動」も、同校の特徴的な取り組みの一つです。生徒は「医学探究フィールド」「科学探究フィールド」「人文探究フィールド」のいずれかを選択して、キャリアアップ講座やフィールド別の校外学習、常友祭(文化祭)での研究発表などを行います。どのフィールドに属するかは入学時に決定しますが、進級の際にはフィールドを変更することも可能です。

 ICT教育についても詳しい説明がありました。目的に合わせてさまざまなツールを導入し、授業でのICT機器の利用率は100%、93%以上の生徒が満足しているとのことです。こうした教育が認められ、今年、先進的なICT活用実践校として、「Google for Education事例校」に認定されました。今年度からは本格的なプログラミングの授業もスタートしています。

 また、中1から「AD(アドバンスト)クラス」と「ST(スタンダード)クラス」の二つの習熟度別クラスを設けており、さらに、ADクラスのなかには10名の「スーパーAD」の生徒が在籍しています。スーパーADでは、中1で英語と数学、中2からは国語も加えて専属教員によるレベルの高い授業を行い、学年を超えた集会、教科横断型授業、外部講師の講座など、アカデミックな独自プログラムも実施しています。「ADとSTの授業の進度は変わらないので、学習の状況によって進級時にクラスの移動もあります。高校入試がないため、身近なところに目標を置くことも大切だと考えています」と佐藤先生は説明します。そして、今春の卒業生の入学時得点と大学受験結果のデータを提示しました。「ボーダーラインぎりぎりで本校に入学した生徒も、国公立大学や医学部医学科に合格しています。中学入試での得点にかかわらず、6年間で十分に学力をつけることができます」と力強く語りました。

 こうした学力を養う取り組みとして、中学では、6時限目終了後、月・水・金に全員参加の「特別講座」を開講しています。基礎学力を定着させるためのさまざまな学習のほか、探究フィールドの活動にも利用されています。佐藤先生は「今年の卒業生の9割は、高3での欠席日数がゼロでした。生徒たちの出席率が高いのは、学校生活が楽しいからこそです」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 JR常磐線「荒川沖」駅、つくばエクスプレス「つくば」駅などからスクールバスを運行。校内には給食センターがあり、月曜から土曜までの完全給食制です

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