受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

沖縄尚学高等学校・附属中学校

2021年9月18日(土)

ユニークな教育プログラムで学力と人間力を培う「グローバル進学校」

 沖縄県那覇市にキャンパスを構える沖縄尚学高等学校・附属中学校。県外からの入学者も多く、「グローバル社会を見据えた文武両道のたくましい進学校」をめざしています。

 この日のオンライン説明会には、中学教頭の屋比久秀正先生が登壇。国際社会に通用するグローバル人材の育成をめざす同校の教育について、具体的な取り組みやその特徴を詳しく説明しました。

 屋比久先生が最初に紹介したのは、全生徒を対象とした英検®取得の取り組みです。同校では、各学年相応とされる級より一つ上の級に目標を定め、グローバル社会で共通のコミュニケーションツールとなる英語力を高めています。2018年には中学の部で英検®合格者数が日本一となり、文部科学大臣賞も受賞しました。2020年も学年の4人に3人が、中3で英検®準2級以上を、高校卒業時には2級以上を取得しています。

 続いて、「文化力」を習得するために必修としている「沖縄伝統空手」についての説明がありました。週1回、70分の授業では、沖縄県空手道連盟の講師と体育科教員が指導を担当します。校内で昇級・昇段試験を行い、高校卒業までに黒帯取得をめざします。屋比久先生は、中3生が作成した動画を使って空手の授業での生徒たちの様子を紹介し、「2010年の導入以来、2000名以上の生徒が黒帯を取得しました。授業は型(かた)のみで組手は行わないので、危険はありません」と述べました。

 異文化体験にも力を入れています。生徒の海外派遣や留学生の受け入れを積極的に進めてきた同校では、海外に45の教育協定校を持ち、日本の大学との併願も可能な米国11大学への指定校推薦制度もあります。また、「さまざまな境遇の人々へ思いを寄せることができるように」という観点から、ボランティアを奨励しています。学童保育や福祉施設での活動のほか、カンボジア里親事業で現地の子どもから届いた手紙の翻訳、核廃絶署名運動など、生徒自身が企画を立てて年2回以上参加します。屋比久先生は「生徒たちは、コロナ禍で多くの制約がある状況にもかかわらず、エコキャップ活動(ペットボトルのキャップ集め)やヘアドネーション(髪の毛でウィッグを作り、無償で提供する活動)のように、自分たちができることをしっかりと考えています。こうした活動のなかに学びや気づきがあり、将来の目標が見つかることもあります」とその利点をアピールしました。

 今春も、多くの卒業生が国公立大学や難関私立大学、医歯薬系の学部・学科に合格しました。国際バカロレアのカリキュラムを導入している高校の「国際文化科学コース」では、今年、フルディプロマと呼ばれる国際的な大学入学資格を受験した13名全員が取得。海外大学にも78名が現役合格を果たし、海外協定校のワシントン州立大学(WSU)には35名が合格。カナダ屈指の名門大学、ブリティッシュコロンビア大学(The University of British Columbia)にも初の合格者を出しました。

 このような高い合格実績を挙げる一方で、高校硬式野球部の甲子園出場をはじめ、空手、柔道、テニスなどのクラブ活動でも生徒たちは全国レベルで活躍しています。屋比久先生は、スポーツ、芸術、そして海外へと、さまざまな進路をめざしてがんばっている生徒たちの存在に触れ、「本校には現在、沖縄県外出身者が85名おり、海外からの生徒も17名在籍しています。本校ならではの多様性に満ちた環境のなかで、生徒たちは互いに良い影響を与え合いながら充実した学校生活を送っています」と語りました。

 2022年度は募集定員が225名から280名に増え、推薦入試、一般前期入試、一般後期入試の三つで入学者を選抜します。このうち1月9日の前期入試(募集定員が100名程度が155名程度へ変更)は、沖縄本校と東京会場(ハートンホテル東品川)の二つの会場で受験できます。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 中高ともに年に1回開催される、校内空手演武大会の様子。沖縄県空手道連盟の先生方が審判を務め、クラス別・流派別・個人別に型を競います

www.okisho.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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