受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

江戸川学園取手中学校【医科ジュニアコース】

2021年9月22日(水)

豊富な「イベント教育」ときめ細かい「医学部受験指導」で医師に必要な素養を育む

 1978年に高校が、1987年に中学が創立された江戸川学園取手中・高等学校。「心豊かなリーダーの育成」をめざし、「規律ある進学校」として心力・学力・体力のバランスの取れた三位一体の教育を実践しています。中学校では「東大ジュニアコース」「医科ジュニアコース」「難関大ジュニアコース」の3コース制をとり、国際社会に貢献できる有為な人材の育成に取り組んでいます。

 この日のオンライン説明会では、中学の「医科ジュニアコース」と高校の「医科コース」での6年一貫教育をクローズアップし、進路指導部長の熊代淳先生がその具体的な内容を説明しました。熊代先生は「医学部進学は、最難関学部であるがゆえの受験勉強の大変さがあると同時に、将来、人の命を預かる医師になる人間を育てていくという、社会的に重要な問題を含んでいます。それだけに、たとえ中学生であっても、『医師として社会に貢献する』という強い思いを固めたうえで臨む必要があるのです」と強調します。

 その点、医科ジュニアコースでは、医学部進学の先を見据えて、最高水準の学問に触れる「イベント教育」と、医学部受験指導を柱とした基礎教育を実践し、医師に必要な素養を育んでいます。「イベント教育」では、大学病院や医学部を視察する「見学ツアー」、第一線の医療現場で活躍する医師を学校に招いて話を聞く「医科講話」など、体験を重視したさまざまなプログラムが実施されています。

 高校の「医科コース」では、学校設定科目として週1コマの「メディカルサイエンス」を設けています。医療問題・科学実験・医療統計・科学英語の4分野を高1から高3までが学年の枠を超えて学び合い、縦のつながりを深めていく協働学習が特徴です。たとえば医療問題では、再生医療にかかわる倫理的な問題について講義を聞き、ディスカッションやプレゼンテーションなどのグループワークに取り組みます。また、2019年にはアメリカの最先端の医療に触れる「アメリカメディカルツアー」を実施し、カルフォルニア大学サンディエゴ校のキャンパス見学や現地の医師・研究員とのパネルディスカッションなどを行いました。こうした経験によって、医師へのあこがれを「決意」へと変え、医学部入試に必要な「動機」を確立していきます。

 生徒の努力を最大限の結果につなげるための「医学部受験指導」にも力を入れています。各学年の医科コースの担任は、生徒がどのようなペースで勉強すれば合格できるかを把握し、模試の成績をチェックしながら適切なアドバイスをします。また、大学ごとの入試傾向を研究・把握することで、一人ひとりに適した大学に出願するよう指導することが可能となっています。さらに、放課後に自分の興味・関心に応じて学校内で勉強できる「アフタースクール」を導入しました。理数系のハイレベルな問題に取り組む講座を設置するなどして、充実した学習サポートを行っています。熊代先生は「こうしたカリキュラムと自学学習により、医学部入試に十分対応できる学力を養います。本校は、『生徒の夢は学校の目標』をスローガンに、生徒の夢を全力で応援しています。志を共にする仲間と一緒に、医師になる夢を実現してください」と締めくくりました。

 なお、同校では2022年度より、算数・国語・社会・理科・英語の5科目入試を実施します。適性型入試でも、適性A・Bと集団面接のほかに英語が課されます。5科目型と適性型の場合、英語はリスニングのみで、試験時間は20分、配点は50点です。出題レベルは小学校の検定教科書と同等で、記号や数字で答えを記入する方式をとるとのことです。中等部入試担当の遠藤実由喜先生は「英語の追加は小学校での英語必修化に伴うもので、検定教科書の範囲から出題します。小学校の授業を大切にし、しっかりと聞いていれば解答できるレベルの問題です」と説明しました。

イメージ写真 千葉県鴨川市にある亀田総合病院見学ツアーでは、CSSトレーニングセンターで生徒たちが本物の注射器と人形を使って、採血の体験をします

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