受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桜美林中学校

2021年9月28日(火)

「学而事人」と「隣人愛」をモットーに、世界の人に奉仕する真の国際人を育成

 1921年、キリスト教宣教師でもあった創立者・清水安三が、貧困に苦しむ子どもたちのために中国・北京市の朝陽門外に開いた「崇貞学園」を起源とする桜美林学園。現在では、東京・町田市の緑豊かなキャンパスに、幼稚園から大学・大学院までがそろい、野球場やテニスコートなどのスポーツ施設も充実しています。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の大越孝先生は、「今年5月、創立100周年を迎えた本学園は、『キリスト教精神に基づく国際人の育成』という教育理念をもとに長い歴史を歩んできました」と述べました。大越先生はICTを利用して継続してきた学びにも触れ、「新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたため、現在は対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で授業を行っています。学校行事や留学など、まだ再開が難しいものもありますが、オンラインを活用しながら教育活動をさらに充実させていきたいと考えています」と話しました。

 次に、中学教頭の若井一朗先生が登壇し、学校の概要と具体的な教育内容について説明しました。同校では創立者の思いを受け継ぎ、「神と人とに仕え、自分を愛するように隣人を愛する」というキリスト教の精神に基づき、「異文化理解」や「多文化共生」を大切にした教育を行っています。若井先生は「学習においても、学んだことを人々や社会のために役立てようという『学而事人(がくじじじん)』をモットーにしています」と話します。

 同校では、国際社会で活躍するのに必要な英語教育に特に力を注いできました。実践的な英語力を高めるために導入しているのが、みずからの考えを積極的に表現する手段として英語を学習する「EYE(Express Yourself in English)プログラム」です。ネイティブ講師によるオンライン英会話のレッスンで話す力を鍛え、中3全員が参加するオーストラリア研修旅行(昨年と今年は休止。生徒の安全が確保され次第再開の予定)など、英語力を試す機会を設けています。また、オーストラリア・中国・韓国の3か国7校と姉妹校提携を結んで交流を深めており、中3からは第二外国語として、コリア語または中国語を選択して学べるのも特徴です。

 SDGs(持続可能な開発目標)につながる活動も多く、2017年にはユネスコスクールにも認定されています。若井先生は「本校では、全校生徒が米を持ち寄り、炊き出しボランティアに協力しています。フィリピンの孤児院との交流から、生徒の発案により鍵盤ハーモニカや文房具などを寄付する運動も広がりました。さらに、今年はパラリンピックの事前プログラムとして、5人制サッカー(ブラインドサッカー)やボッチャなどを体験しましたが、障害について深く考えるきっかけとなったようです」と、同校の多彩な取り組みを紹介しました。

 併設の桜美林大学への進学者は約1割で、多くの生徒が他大学を受験します。希望する進路を実現させるため、同校では2019年度から高校に3コース制を取り入れています。中学からの内部進学生と高校からの入学生が在籍する「国公立コース」では、3年間同じコースで学び、国公立大学への現役合格をめざします。一方、「特別進学コース」と「進学コース」は学力や希望進路に応じて、進級時にコースの移動もあります。なお、若井先生によると、これまでこの2コースでは、内部進学生と高校からの入学生を分けてクラスを編成していましたが、互いに刺激を与え合えるように、現在の中学1年生が高2進級時以降は混合クラスにする予定だそうです。

 2022年度入学者の選抜については、12月の帰国生入試に続いて、2月1日午前に2科・4科選択制入試と適性検査型の総合学力評価テストが、同日午後に2科入試がそれぞれ行われます。さらに、2日の午前には総合学力評価テストが、同日午後には2科入試が、3日の午後には算数1科入試があります。なお、午後入試については、併願校からの移動を考慮し、当日選択できる複数の時間帯を設定するとのことです。

イメージ写真 最寄りのJR「淵野辺」駅と「京王多摩センター」駅、「小田急線多摩センター」駅、多摩都市モノレール「多摩センター」駅からは随時スクールバスを運行。現在、キャンパス内に中高が使用する人工芝グラウンドとテニスコートを整備中です

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