受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

開智日本橋学園中学校

2021年9月4日(土)

自分で考え、行動する力を育む
〝探究型の学び〟を実践

 2015年に埼玉県にある開智学園との教育連携に伴い、それまでの日本橋女学館中学校から校名を変更し、共学校として生まれ変わった開智日本橋学園中学校。この春には、共学化第1期生103名が卒業し、東京大学をはじめとする国公立大学・大学校に22名、早慶上理に38名、GMARCHに57名と、期待に応える実績を残しました。

 校長の一円尚先生は同校の教育目標について、「育てたいのはロボットや人工知能に負けない能力です。言われたことを忠実に実行する働き方では、人は人工知能にはかないません。突発的な出来事に対応できる柔軟な思考力や判断力、課題解決能力、そして、新しいものを創造する発想力こそが、これからの社会で活躍する子どもたちには求められるのです」と話します。

 同校では、「自ら考え、判断し、主体的に行動する」を合言葉に、学校行事や部活動、生徒会活動といった校内生活のあらゆることが生徒主体で企画・運営されています。一円先生は「どんな小さな活動でも、生徒たちは、クラスまたは学年単位で速やかに委員会を立ち上げ、実行に向けて動き出します。教員たちは適宜、助言はしますが、『あくまで生徒が主体』というスタンスを貫いています」と述べました。

国際バカロレアのノウハウを
すべてのコースに導入

 主体性を育むために全教科で導入されているのが〝探究型の学び〟です。「日本の授業は従来、教員が生徒に知識を教える一方向型でした。しかし、それでは生徒が自分の頭で考えられません」と一円先生。同校の先生方は生徒たちの思考を促すファシリテーター役を務め、自分たちで調べ、疑問を持ち、話し合い、結論を導き出していくよう指導しています。

 また、国際バカロレア(IB)のMYP(中等教育プログラム)とDP(高等教育プログラム)の認定校でもある同校は、すべてのコースの教育課程が日本の学習指導要領とIBが定めるMYPの要件の双方を満たしています。一円先生は「一般的に『IB=海外大学進学』というイメージが強いですが、必ずしもそうとは限りません。本校が重視するのは、IBの根底にある探究型の学びです。開智学園が培ってきた『探究テーマ活動』『フィールドワーク』などのプログラムと併用して、主体的に学ぶ姿勢を養っていきます」と述べました。

 MYPに相当する最初の4年間は、三つのコースに分かれて学びます。開智学園が重視する探究型学習を数多く取り入れ、IBの国際的要素も加味した「リーディングクラス(LC)」、LCの内容に加え、一部の科目を英語で学ぶ「デュアルランゲージクラス(DLC)」、帰国生など英語力の高い生徒を対象とした「グローバルリーディングクラス(GLC)」があります。

 広報部長の永峯弘一先生によると、「DLCの生徒は4年間で帰国生レベルにまで英語能力を高め、最終的には日本語でディプロマを取得することも可能です。段階的に英語で学んでいくので、英語力がゼロベースで入学したとしても大丈夫ですが、入学後は真剣に取り組む覚悟が必要です」とのことです。続く高2・3では、希望する進路ごとに「国際バカロレアバイリンガルDP」「国際バカロレア日本型DP」「国立理系」「医学系」「国立文系」「私立系」の6クラスに分かれます。

 2022年度は、一般入試4回に加えて、適性検査入試と特待生入試がそれぞれ1回ずつ行われます。

イメージ写真 JR・都営浅草線「浅草橋」駅より徒歩3分、JR「馬喰町」駅より徒歩5分、都営新宿線「馬喰横山」駅より徒歩7分の好立地。高3生は学習に集中できるよう、隣接する別館で過ごします

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