受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

順天中学校

2021年9月8日(水)

グローバル教育と探究学習で
主体的に学びに向かう力を培う

 東京都北区王子にある順天中学校・高等学校は、1834年に和算家の福田理軒が創設した「順天堂塾」を起源とする共学の進学校です。「英知をもって国際社会で活躍できる人間を育成する」という教育理念の下、多様な探究学習や国際教育を行って「真の学力」と「真の人間性」の養成に取り組んでいます。2014年からはスーパーグローバルハイスクール(SGH)にも指定されています。

 説明会の冒頭であいさつに立った副校長の片倉敦先生は、2021年度より中学で実施されている新学習指導要領について言及し、「変化の多い時代を迎えた今、生涯にわたってみずから学び続ける力が重要です」と語りました。そのうえで、「こうした21世紀型のスキルを培うために、本校では『創造的学力・国際対話力・人間関係力』の三つを重視して、主体的に学びに向かう姿勢を育てています」と説明しました。

 同校では、課題を発見して解決する「創造的学力」、論理的思考をもって英語で対話するスキル「国際対話力」、集団をまとめながら仲間に貢献する「人間関係力」の三つの養成を軸とした教育を実践し、これらの力の到達度を測る基準ルーブリックを使って生徒たちと共有しています。片倉先生は「ルーブリックによって、生徒は現状を自己評価し、目標を設定したうえで、それに向かって主体的に学習に取り組めるようになります」と説明します。

 続いて、学校の歴史について話を進めた片倉先生は、「建学の精神に掲げられている『順天求合』について、『自然の摂理にしたがって真理を探求する』という意味で、本校では創立時から探究的な学びを大切にしていました。また、留学制度も早くから整え、実践的な語学力と国際感覚を磨いています」と語りました。

 中高6年間を通じて国際交流・海外研修・留学の機会が豊富で、ニュージーランド研修(中3の希望者対象)のほか、SGHプログラムとしてフィリピンフィールドワークなどもあります。一方、朝学習では英検®対策のトレーニングを行って、基礎力の充実も図っています。

「チーム順天」のサポートを受け
進路実現に向けて実戦力を磨く

 中学では、国語・数学・英語の主要3教科においては基礎から応用へと体系的に知識を深める「系統学習」を行うとともに、「生徒同士の学び合いを通して、学習意欲を高める指導」を心がけているそうです。一方、理科・社会の授業では、みずから問題を発見し、解決する力を培う「探究学習」に力を注ぎ、思考力や表現力を養成します。音楽・美術・技術家庭・保健体育・道徳では、福祉や国際活動と関連させた「統合学習」に力を注ぎます。そこでは、保育園の園児や高齢者に贈り物をするという視点でものづくりを行うなど、人と人とのつながりのなかで人間性を高めていきます。

 高校では希望する進路ごとにクラスを編成します。中高一貫生は「特進選抜類型」「理数選抜類型」「英語選抜類型」のいずれかで学び、最難関大学の受験に対応する実戦力を身につけます。「学校内で受験指導を完結させる『チーム順天』とも呼べる万全のサポートで面倒見の良い指導を行います」と片倉先生は胸を張ります。

 大学進学実績も堅調です。2021年3月は東京大学に2名が合格したのをはじめ、卒業生の44%が国公立大学、早慶上理ICU、GMARCHに進学しました。また、卒業時には6割以上が英検®2級以上を取得しているそうです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 高台にある校舎は明るく開放的。2017年に完成した「理軒館」には、ラーニングコモンズ、セミナールームなど多彩な学習スペースが設けられています

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