受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

大妻中学校

2021年9月9日(木)

21世紀型スキルを磨き
社会で輝き続ける女性を育てる

 1908年、大妻コタカによって創設された塾から発展した大妻中学高等学校は、社会に貢献できる女性の育成をめざす女子伝統校です。説明会の冒頭、校長の成島由美先生は「子どもは未来からの留学生であり、教育とは未来の担い手を育てることです。それを前提に、本校では『社会で50年輝き続ける女性の育成』をめざし、21世紀型のスキルを磨いていきたいと考えています」と語りました。

 その具体的な取り組みとして、同校ではグローバル教育に力を注ぐとともに、ITリテラシーの育成、プログラミング教育を強化。希望者を対象に、中国語講座、プログラム言語を学ぶ「Python(パイソン)講座」なども開講しています。

 続いて、教頭の赤塚宏子先生が、創立以来同校がめざしてきた「自立(自律)する女性」「自己肯定できる女性」「生きる力に満ちた女性」という三つの生徒像について紹介。そのうえで、「書道部の生徒が、文化祭で前例のないパフォーマンスを披露したいと提案したことがありました。本校の教員はこうした『自立(自律)』を簡単に認めることはしません。しかし、生徒たちもあきらめず、いろいろなアイデアを出して教員を説得し、実現させたのです。このように、生徒自身で突破口を見つけ、本当の『自立(自律)』に導くのが本校の教育だと考えています」と話しました。こうした失敗体験と成功体験を積むことは自信につながり、自己肯定感も育まれるそうです。

体験学習や国際理解教育を通して
生徒の可能性を最大限に引き出す

 次に、主幹の森弘達先生が進学・学習指導について説明しました。同校では従来の教育方針も大切にしながら、新しい学びを取り入れています。たとえば、今年度から中学の総合学習では、外部から講師を招いて、プレゼンテーションやディベートといった側面から小論文を学んでいます。一方、高校では「STEAM探究講座」を開講し、社会で求められるイノベーション型人材の育成をめざしています。このほか、文系・理系の枠を超え、世界で活躍する研究者やアーティストと交流できる講座や、医療系学部の志望者なら中学生でも受講できる医療系探究講座など、大学入試対策や進学指導に直結するような多彩なプログラムを新たに実施していることが伝えられました。

 グローバル部部長の関孝平先生からは、英語教育やグローバル教育について説明がありました。今年度から中1の英語の授業数が1コマ増え、その時間が「グローバルスタディ」という授業に充てられています。これは、コミュニケーションや異文化理解、課題解決など、グローバル社会で生きていく素養を育むことが狙いです。さらに、グローバル教育は授業だけではなく、課外活動にも広がっています。その一つが模擬国連に向けた取り組みです。

 同校は年に数回、主催校として模擬国連会議を開催し、多いときには30校から400名以上の中高生が集います。また、全日本高校模擬国連大会にも参加し、2019年と2020年の2年連続で優秀賞を獲得しました。関先生は「生徒が持ち込んだ企画として、他校の生徒や海外の日本人大学生と英語で交流する『オンラインディスカッション』も実施しています。生徒たちには常に、『想像以上に君は変われる』と話していますが、生徒一人ひとりの可能性をできる限り高く引き上げるのが教員の役割だと考えています」と結びました。

イメージ写真 千鳥ヶ淵の近くに位置し、緑豊かな環境。地上9階・地下1階建ての校舎には蔵書数が約4万3000冊の図書館などがあります

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