受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

四天王寺中学校

2021年8月28日(土)

来年創立100周年
「女子が伸びる教育」に特化

 女子の伝統校として、関西で広く知られる四天王寺高等学校・中学校は、2022年に創立100周年を迎えます。聖徳太子の「和の精神」を礎とした全人教育を継承する一方で、新しいものを積極的に取り入れる順応性のある学校です。「円満で深い人間性を備えた女性の育成」「将来希望する世界で活躍できる学力の養成」「個性を充分伸長できる教育の実践」を教育方針とし、優れた学力のうえに、自利利他の精神を兼ね備えた女性の育成をめざしています。

 この日の説明会で、入学対策部部長の山田雅勇先生は、最初に、コロナ禍のなかでも生徒たちが一生懸命学び続けている現状を報告した後、「本校がめざしているのは女子が伸びる教育です」と述べ、別学のメリットについて説明しました。

 この時期の男女は発達の差が大きく、見え方や聞こえ方から、記憶の仕方、感情の処理の仕方まで異なります。「このため指導法や教材、授業展開を変える必要があるのです」と山田先生は言います。同校では道筋を示しながらじっくり考えさせる授業を実践しながら、各教科で小テストやノートの点検などをきめ細かく課しながら、「積み上げ」と「繰り返し学習」を重ねています。

 英語の授業では、AIを用いたツールも導入し、新たな学びにも挑戦しています。マイクを使ってツールに音声を吹き込むと、発音の正しさが判定されるなど、AIが生徒のレベルに合わせて補助的にトレーニングをします。そのほか、5日間英語の特訓を行う「校内語学研修」や、英検®1級取得をめざす講座なども用意しています。

国公立大学に201名が合格
推薦入試を活用する例も増える

 教育の成果は、大学の合格実績にも表れています。今春は、国公立大学への合格者数が201名(既卒生を含む。以下同様)という実績を残しました。そのうち47名が医学部医学科に合格。私立大学と防衛医科大学校を含めた医学部医学科の合格者数は125名に上ります。また、国公立大学の推薦入試(総合型選抜・学校推薦型選抜)を活用する生徒も増えており、2021年度は21名(うち9名が医学部医学科)が合格しています。

 こうした実績を支えているのが、大学や関係病院と連携したキャリア教育です。昨年は、コロナ禍でほとんどの行事が中止になりましたが、それまでは京都大学や大阪大学の医学部を訪問し、医療技術体験・研究室見学を実施したり、希望者を対象に、学園と関係の深い四天王寺病院の見学ツアーなどを行ったりしています。「医療現場を間近に見ることで、生きることとは何かを考えるきっかけにもなっています」と話します。

 今年度からは、医志、英数S、英数、文化・スポーツの4コースで構成された、新コース制度が始まりました。医志は医療従事者の育成を、英数Sと英数は最難関国公立大学や海外大学進学をめざして、生徒一人ひとりに合わせた学習指導を行います。

 2022年度の中学入試については、医志から英数コースへ、英数Sから英数コースへのスライド合格制度や英数コースの専願出願制度、3科・4科選択制など、今年度同様に実施される予定です。合格得点の目安は、医志と英数Sが7割5分から8割、英数コース(併願)が6割5分から7割、英数コース(専願)が6割ほどになる見込みです。「不安定な状況ですが、個別での見学会は実施しています。ぜひ一度ご来校ください」と話し、説明会を終了しました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真

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