受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

金蘭千里中学校

2021年8月29日(日)

毎朝の20分テストを軸に、
「みずから学ぶ力」を育む

 1965年に設立された金蘭千里中学校・高等学校は、大阪府吹田市の緑豊かな環境に立地する中高一貫・男女共学の進学校です。国公立大学や医学部医学科などに多数の合格者を輩出していますが、この日の説明会において、企画室主任の川野貴志先生は、「その確かな学力を支えているのが、毎朝行っている『20分テスト』です」と説明します。

 20分テストは、暗記だけで点数が取れる小テストではありません。英語や国語なら長文読解、数学なら証明など本格的な問題も出題され、主要5教科を10科目に分けて、月曜から金曜まで毎朝1科目ずつ行われます。「本校には、中間・期末テストなどの定期考査がありません。その代わりに、この20分テストで学習範囲をこまめに振り返りながら、学力を定着させているのです」とのことで、生徒たちは授業の予習・復習を自律的に行う習慣とともに、自分に合った〝学び方〟も身につけていきます。

 その一方で、実践的な取り組みも充実させています。中1~3の週1時間の「表現」の授業では、議論・発表の技法を深める探究学習に取り組みます。全国の名門中高が参加するプレゼンテーション・コンテスト「クエストカップ」など学外のコンテストにも挑戦し、優秀な成績を収めています。「変化が激しく、見通しのつかないこれからの世の中で必要となるのは、みずから学ぶ力です。本校での6年間を礎に、生徒たちにはそんな力を持った大人になってほしい」と、川野先生は力強く語りました。

オンライン自習システムが始動
来年度から「1科目入試」を導入

 伝統の20分テストに加えて、1クラス約30名の少人数制を採用するなど、きめ細かい教育を実践する同校では、「ICT機器はそれを強化・徹底するツール」と位置づけています。2019年度から「1人1台のタブレット」を実現していたため、昨年春の突然の休校にも、速やかにオンライン授業で対応できました。

 その際に培ったノウハウを生かし、今年度からスタートしたのが、オンライン自習システム「金蘭千里 勉強部」です。川野先生によると、「学校だけでなく、自宅でも学習効果を高めるのが狙い」とのこと。同じ学校の仲間ががんばって勉強している姿をリアルタイムで確認できるのでモチベーションが高まる一方、わからないことがあればオンライン指導員に質問をして個別対応も受けられます。さらに、オンライン指導員と教員が情報を共有し、取り組む課題や学習計画を構成することも可能で、授業と自宅学習の相乗効果が期待できます。

 最後に2022年度入試についての説明があり、入試解禁日初日の1月15日午後に「1科目入試」を新設することが伝えられました。国語・算数のいずれか1科目での受験が可能となります。「同日の2科目入試よりも合格ラインは高くなりますが、国語もしくは算数が得意な人はぜひ検討してください」とメッセージを送りました。

イメージ写真

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