受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

函館ラ・サール中学校

2021年10月4日(月)

大部屋の寮生活を通して、社会人として必要なたくましさとコミュニケーション力を身につける

 函館ラ・サール中学校・高等学校は、豊かな自然と異国情緒をあわせ持つ北海道・函館の住宅街に位置する男子進学校です。鹿児島のラ・サール中学校・高等学校をはじめ、世界79か国に約1100の学校を運営しているラ・サール修道会が1960年に高校を設立し、1999年に中学校を開校しました。

 オンラインで開催されたこの日の説明会の冒頭、副校長の齋藤瑞木先生は、同校の特徴として「聖ラ・サールの精神に基づく学校」「高いレベルでの人間教育と進学教育の両立を図る学校」「教育力のある寮のある学校」の三つを挙げました。

 一つ目の「聖ラ・サールの精神に基づく学校」については、ラ・サール修道会が貧しい子どもたちのために学校を設立したことに触れ、「Special Care for the Poor」(貧者や苦しんでいる人に対して、温かな手を差し伸べる)という共通の理念があることを紹介しました。続けて、「この“Poor”は、単に経済的に貧しいという意味ではありません。悩んでいる子どもや困っている子どもという意味も含まれています。本校では、この精神に基づいて、成績や素行に多少問題があった生徒も簡単には切り捨てず、しっかり指導を行っています。“ラ・サール・ファミリー”として、親兄弟のような立場で寄り添うのが本校の教育です」と述べました。

 二つ目の人間教育と進学教育については、まず学習指導の説明から始めました。中学では週6日制をとり、計37時間の授業によって、基礎学力の定着を図り、数学と英語は中3から高1の内容に入ります。また、今年度から、高校に「特進コース」を新設し、東京大学や京都大学、医学部医学科に現役で合格できるような指導を強化していることも伝えました。さらに齋藤先生は「進学教育以上に重視しているのが人間教育です。特に、人を育てるためには、部活動や生徒会活動など好きなことに没頭できる環境が大切です。ここで多様な経験を積むことが重要なのです。本校では部活動も盛んで、何事にも打ち込みやすい環境が整っています」と話します。同校では、全国大会に出場経験のあるラグビー部をはじめとした体育系クラブだけではなく、茶道部、グリー部、吹奏楽部などの文化系のクラブも活発に活動しています。また、強豪のラグビー部の生徒が、現役で国公立大学の医学部や早稲田大学、慶應義塾大学に進学するなど、文武両道を実践しています。齋藤先生は「勉強ができるだけのエリートではこれからの時代に通用しません。勉強にも、部活動などの好きなことにも打ち込み、失敗や挫折を経験しながら、タフに成長することが大切なのです」と力強く語りました。

 三つ目に説明したのは、全国から集まった生徒が共に過ごす寮生活についてです。同校には、北海道のほか、関西、四国など幅広い地域から生徒が集まり、首都圏からも毎年約30名が入学しています。さらに「大部屋制」を採用している学校は、全国で同校だけです。高校からは4人部屋に移りますが、中学では2段ベッドがずらりと並ぶ、1学年約50人収容の大部屋で集団生活を送ります。寮にはスマートフォンをはじめとした情報端末は持ち込めません。プライバシーもなく、不自由な空間は現代の子どもたちにとって、ストレスもかかります。しかし、齋藤先生は「今のような時代だからこそ、気の合う人とだけつき合えばいいというわけにはいかない寮生活を通して、コミュニケーション力を高めることが必要なのです。甘やかさないことにより、たくましい精神力、自立した生活力、仲間と協働する能力が身につきます。保護者の方もぜひ『かわいい子には旅をさせよ』の精神で、本校の寮にお子さんを預けていただきたいです」と述べました。

 2022年度入試は、第1次試験が1月8日午前に、第2次試験が2月3日午前に、本校のほか東京・大阪などで行われます。最後に、齋藤先生は「第1次試験の出題傾向は従来どおりですが、第2次試験では、半数の問題が教科書以上のレベルのものになる予定です。残りの半数では必ず点数が取れるように、しっかり基礎力を定着させておいてください」とアドバイスを送りました。

イメージ写真 広大なグラウンドでは、野球、サッカー、ラグビーの練習が同時に可能。バスケットボールとバレーボールの試合を同時に2試合ずつできる大きな体育館も二つ備えています

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