受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

カリタス女子中学校

2021年10月5日(火)

少人数制によるきめ細かい指導体制と伝統の英仏複言語教育を実践する女子進学校

 カリタス女子中学高等学校は、戦後日本の社会的課題であった「学校教育の充実」に応えるため、カナダのケベック・カリタス修道女会によって創設されました。校名の「カリタス」はラテン語で「愛」を意味しています。キリスト教の価値観と「祈る心」「学ぶ心」「交わる心」「奉仕する心」の四つの心を基盤とする同校は、人間教育、探究的な学び、グローバル教育を柱とした学びを実践し、グローバルな視野とチャレンジ精神を兼ね備えた、他者のために行動できる人間の育成をめざしています。

 この日のオンライン説明会の冒頭では、校長の萩原千加子先生が教育の特色について説明しました。同校の1学年の生徒数は180~190名で、1クラスは約40名という編成ですが、英語・フランス語・数学・理科実験など、4割の授業がクラスを半分に分けた少人数の「ハーフクラス」で行われています。萩原先生はその具体例として、2~3名という小さなグループで実験をする理科を紹介し、「少人数で実験を行う場合、教員や実験補助員など多くの人員と用具が必要となりますが、すべての生徒が主体的に取り組むためには欠かせないと考えています。近年では理系学部を志望する生徒が増え、全体の約4割にまでなっています」と話しました。

 次に「英仏複言語教育」の話題に移りました。同校の母体となった修道女会はカナダのフランス語圏にあるため、創立以来、同校では英語とフランス語の両方を学びます。中学の3年間、全員が英語とフランス語を学習し、高校進学時にフランス語を第一外国語として選択することもできます。一方、英語については、入学の時点で一定の英語力を持つ生徒と帰国生を対象に「アドバンストクラス」を設置しています。萩原先生は「進級時にプレイスメンステストでパスすれば、一般クラスだった生徒も、努力次第でアドバンストクラスで学ぶことが可能です。特進クラスではないので、授業の進度が速いわけではありません。内容を掘り下げてオールイングリッシュで行っているのが特徴で、アウトプットを重視した構成になっています。アドバンストクラスの存在が、学年全体の英語力を上げる力となっています」と説明しました。昨年度の高2は、学年末までに97名が英検®2級を取得し、22名が英検®準1級、1名が英検®1級に合格しています。

 学びをサポートする講習や研修のプログラムも紹介されました。週5日制の同校では、土曜日に希望者対象の「土曜講座」を開講しています。語学検定試験の対策講座があり、放課後には、中学生を対象に英語と数学の指名補習を行っています。質問対応や課題サポートをしてもらえる「学習デー」や、中3~高2対象の「ハイレベル放課後講習」なども開講されています。萩原先生は「午後7時まで利用できる自習室もあり、自学自習の姿勢を育てる環境を整えています。在校生の要望で、今年度からは卒業生によるチューター制度も始まりました」と話しました。

 説明会の後半では、2人の卒業生による学校紹介もありました。早稲田大学文化構想学部に通うSさんは「挑戦する機会を与え、全力で支えてくださる先生方がいることがカリタスの大きな魅力です」と語りました。一方、慶應義塾大学法学部に通うKさんは、高校から第一外国語として選択したフランス語で慶應を受験したそうです。「カリタスの授業だけで、入試で求められるフランス語の力は十分に身につきます。高校卒業時までに英検®・仏検ともに準1級を取得できました」と語りました。

 最後に萩原先生は「本校の根幹にあるのはカトリック精神に基づく心の教育です。これからも生徒の心のありようを磨く教育を展開してまいります」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 図書館は、自然採光が豊かで開放感のある空間になっています。蔵書は4万冊以上あり、オンラインデータベースも完備しています

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