受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

片山学園中学校

2021年10月2日(土)

富山県初の中高一貫校。ていねいな指導で希望の進路を実現

 校訓に「孝・恩・徳」を掲げる片山学園中学校・高等学校は、北陸3県で学習塾や予備校を展開する育英センターが創設した富山県初の中高一貫校です。2005年に中学が、2008年に高校が開校しました。敷地内には男子寮と女子寮があり、全国各地から入学者を集めています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会で、広報企画室の杉林功一先生は、「設立母体が学習塾ということもあり、本校では特に、生徒を第一志望の大学に現役で進学させることに力を入れています。あわせて、10年後、20年後を見据え、社会で活躍するために必要な資質を養う教育を実践しようと、中高一貫ならではの時間的なゆとりを生かしてさまざまな活動に取り組んでいます」と述べ、具体的な教育プログラムを紹介しました。

 平日は1コマ50分間の授業が7限まであり、さらに月1回の「土曜塾」では補習や定期テスト前の集中講義などを実施しています。杉林先生によると「特に英語・数学・国語は公立校の1.6倍の授業時間を確保しており、授業の進度は速めですが、しっかりと理解させながら進めています」とのことです。この3教科については、中1の2学期から習熟度別授業も導入し、基礎学力の定着を図っています。

 アクティブ・ラーニング型授業も取り入れています。たとえば国語では、夏目漱石の『こころ』を題材にグループで演出・演技に挑戦し、それを撮影して発表します。読むだけではなく、実際に演出や演技をすることで、場面の描写や登場人物の心情などを理解し、議論をするところまで学びを深めていくのが狙いです。説明の中で流された授業風景の動画では、理科実験に真剣に取り組む生徒たちの生き生きとした表情が印象的でした。

 ICT教育のための環境整備も進んでいます。2020年度からは生徒全員にiPadを配布し、授業や調べ学習のほか、さまざまな活動で利用するようになりました。昨年春の休校時も、4月には授業動画の配信を、5月にはオンライン会議システムを使った双方向型のオンライン授業を実施でき、学習が滞ることはありませんでした。杉林先生は「その後もノウハウを蓄積しており、大雪の日には急きょオンライン授業に切り替えて授業を行ったこともあります」と報告しました。

 英語教育にも力を入れており、外国人講師によるオールイングリッシュの会話型授業や、オンライン英会話学習システムを導入しています。また、オーストラリアの提携校とオンラインで交流するなど、身につけた英語力を試すと同時に、異文化に触れて視野を広げる機会もあります。2020年度と今年度は中止となりましたが、イギリスのイートン校を訪れる英国語学研修(高1)のほか、スイスやフランスへの短期留学(中2~高2の希望者から選抜)など、海外で学ぶプログラムも充実しています。

 「つるぎ寮」(男子)と「さくら寮」(女子)の二つの寮では、現在は91名が生活しています。寮はすべて個室で、ベッドや机が備え付けられているほか、冷蔵庫や電子レンジなどの家電の持ち込みも可能です。学生寮寮長の高倉真一先生は「学校と同じ敷地にあるため、本来通学にかかる時間を有効に使えます」と話しました。寮では、毎日夕食後の2時間が学習時間となっており、中学生は学習室での集団学習を実施します。育英センターの講師が訪れ、質問などに対応しています。また、定期テスト直前の週末には、朝の9時から夜10時まで「1日勉強会」も実施されます。希望者を集めての遠足や、バスで近郊のショッピングセンターに向かう買い物ツアーなども催されるそうです。

 最後に、入試についての説明がありました。本校で実施される推薦入試や一般入試のほかに、1月8日(土)には東京、名古屋、大阪の3会場で「国内入試」が行われ、成績上位者には特待制度もあるとのことです。

イメージ写真 2021年度、開校以来初の海外大学合格! 進路は世界へ!

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