受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

国府台女子学院中学部

2021年9月16日(木)

仏教を礎にした情操教育とICT教育で未来を切り開く力を高める

 千葉県市川市の文教地区にある国府台女子学院は、1926年に創立された女子校です。仏教精神を礎とする「敬虔・勤労・高雅」を三大目標に掲げ、教養としての「知識」や「道徳」を超えた「智慧」と「慈悲」の体得をめざしています。

 この日の説明会はオンラインで開催され、その冒頭で中学部副学院長の平田慎太郎先生は、「仏教」「女子教育」「進学」の三つのキーワードを挙げ、同校の特色について説明しました。

 はじめに、平田先生は宗教教育について詳しく紹介しました。浄土真宗本願寺派の宗門校である同校では、全学年で「仏教」の授業を週1時間設け、情操面での教育を行っています。ここでは法話を聞くだけではなく、仏教以外の宗教や時事問題も取り上げ、「いのちとは何か?」「脳死・臓器移植」「宗教間紛争」などのテーマに沿って学び、生徒たちの道徳心・倫理観・歴史観などを育んでいます。また、校長先生をはじめ僧侶の資格を持つ先生方による講話を聞く「仏教朝礼」や、花祭りなどの仏教行事も行っています。

 二つ目の「女子教育」について、平田先生は「異性の目を気にせずに、伸び伸びと過ごせる環境の下、こつこつと努力を積み上げていく女子の特性に合わせてカリキュラムを編成しています」と述べました。体育祭や文化祭などの学校行事もすべて生徒たちが自分たちで計画・実行し、その過程でたくましく成長していくそうです。

 三つ目の「進学」については、最近は国公立大学・難関私立大学への進学者が多く、現役進学率も9割を超えています。好調な合格実績を支えているのは、多様な進路に対応したクラス編成と選択制カリキュラムです。中3から「選抜クラス」が編成され、続く高等部では多様な進路に対応した「普通科」と、英語教育に特化した少数精鋭の「英語科」に分かれます。このうち普通科の「美術・デザインコース」以外の生徒は高2から希望に応じて、「進学理系選択」「進学文系選択」「選抜理系」「選抜文系国立」「選抜文系私立」の各コースに分かれます。

 また、2020年度からはICT教育が本格的にスタートしました。生徒全員が所有するiPadと、校内に整備されたWi-Fiを活用して、調べ学習、プレゼンテーション、学校とのコミュニケーション、大学入試で必要なポートフォリオの作成などを行っています。新型コロナウイルス感染症の影響による休校期間中には、生徒1人当たり約200本の授業動画を配信し、充実した学びを継続することができたそうです。

 次に、中学部での一日の様子がビデオで紹介されました。登校は8時20分ですが、日直当番は8時までに登校し、教室やトイレを清掃します。念珠を手に掛けての朝礼に続いて、漢字・計算・英単語の小テストを行うことで、学習習慣の確立や基礎学力の定着を図っています。

 校舎の中央にある図書館を活用した「情報リテラシー」の授業についても説明がありました。週1コマのこの授業は、書籍・雑誌・新聞・インターネットでさまざまな文章に触れ、表現力を磨くものです。検索端末の使い方や本の分類法などを知るところから始まり、自分の考えを文章に表現する練習を重ねます。また、クリティカルシンキングのテキストを使い、物事を多角的に考える力や問題解決力の育成にも力を注いでいます。アクティブ・ラーニングを取り入れた双方向型の授業を行っているのも特徴で、グループでのディスカッションやプレゼンテーションを通じて、生徒たちは未来の社会で生きる力を身につけます。

 1年を通じて毎日、朝と放課後には、各学年で課外講習も行われています。SSR(セルフスタディルーム)には教員が常駐し、生徒たちの放課後学習をサポート。平田先生は「わからないことはなるべく早く、学校内で解消できるよう、いつでも質問ができる環境を整えています」と結びました。

イメージ写真 専門の先生が指導する課外活動(華道・筝曲・茶道)も行われています。今年から制服の選択肢が広がり、スラックスも選べるようになりました

www.konodai-gs.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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