受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京電機大学中学校

2021年10月6日(水)

探究・理科・情報を柱に、体験を重視した教育プログラムで課題解決能力を育てる

 科学者・技術者を養成するために2人の青年技術者によって開設された夜間の「電機学校」を前身とする東京電機大学。その系列校である東京電機大学高等学校は1948年に、東京電機大学中学校は1996年にそれぞれ開校しました。校訓として「人間らしく生きる」を掲げ、知識の習得だけでなく、体験を重視した教育プログラムを実践しています。

 オンライン説明会の冒頭、校長の平川吉治先生は、東京電機大学の初代学長を務めた丹羽保次郎先生のことば「技術は人なり」に触れ、「本校の校訓『人間らしく生きる』には、『中高6年間で人として大切なものを追求しながら学んでほしい』という願いが込められています」と述べました。

 自分なりの価値観と問題意識を持って社会を見つめ、解決に向けて生きる力を身につけるために、同校では探究学習に力を注いでいます。2021年度からは、中学の教育課程に新たに「探究」を設定しました。これまで年間10回程度の特別活動として実施してきた学年横断型の課題探究学習「TDU 4D-Lab」を発展させたものです。週1コマの授業ではさまざまなテーマで課題を提示し、「課題認識→調査→分析・思考→まとめ・表現→新たな課題認識」というサイクルを繰り返して、これからの社会で求められる課題解決能力を育てます。平川先生は「大切なのは、『なぜ?』という小さな疑問です。身近なところに多くの疑問があることに気づき、思考を深めるプログラムを実施していきます」と説明しました。

 次に、入試広報室の阿部裕之先生が教育内容と学校生活について説明しました。同校は理系と文系の生徒の割合が7対3で、男子は理系志向の生徒が多く、女子はほぼ半々だそうです。また、男女比は2対1で、30名のクラスで男子が20名、女子が10名ほどの構成になるといいます。

 そんな同校では理科教育と情報教育を重視しています。まず、理科は5つの理科教室を活用し、中1から高2までの5年間で100種類以上の実験・観察を行います。毎回の授業で欠かせないのが、手作りの道具や実験に使う試料などを保管するための「実験BOX」です。阿部先生によると、実験道具を自作させるのは「道具にはすべて仕組があり、その構造にもそうでなければならない必然性があることを理解してほしい」と考えているためです。また、情報教育のなかでも特にプログラミング教育に力を注ぐ同校には3室のコンピュータ室があり、100台以上のパソコンが設置されています。2名の教員が担当する少人数制の「情報」の授業では、中1からプログラミングの基礎を学び、高1では、高水準汎用プログラミング言語である「Python」によるプログラム演習に取り組みます。

 次に、具体的な教育内容に話題が移りました。中学校では1クラスを30~35名程度の少人数で編成し、きめ細かい指導体制をとっています。英語・数学は小テストで常に到達度を確認し、火・木曜日の放課後には必要に応じて補習や講習を行います。また、授業担当者による授業ノートの確認や課題への添削指導も日常的に実施されています。そして、高2になると、文系・理系に分かれ、理系では、数学と物理で習熟度別授業が行われます。進学に際しては、80%以上が他大学を受験しています。学内推薦で東京電機大学に進学する卒業生は10~20%程度ですが、国公立大学に限り、被推薦権を保持したまま受験できる制度もあります。

 最後に、入試の概要について説明がありました。2021年度入試では女子の受験生が増加したそうです。これについて阿部先生は「2月1日午後の第2回は国語または算数のどちらかを当日選択し、その1教科の成績で判定しますが、多くの女子は国語を選択します。しかし、それで入学した生徒が数学や理科の授業についていけないということはないので安心してください」というメッセージを送りました。

イメージ写真 中1から高1までの4年間でプログラミングの基礎を身につける「情報」での一コマ。ロボット「こくり」に指令を出し、実際に動かしてみます

※「こくり」は日販テクシードが開発したタブレット一体型のロボットです

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