受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

捜真女学校中学部

2021年10月12日(火)

「ことば」にフォーカスした教育で世界に貢献できる力を育成する

 捜真女学校の歴史は、米国バプテスト派宣教師ネーサン·ブラウン氏の妻であるシャーロット・ブラウンが1886年、横浜・山手の聖書印刷所の2階に女子のための塾を開設したことから始まりました。それ以来、「自己の能力を最善に伸ばし、自分を愛するように隣人を愛し、感謝を持って奉仕できる人格を形成する」というキリスト教に基づく教育方針に従って、聖書を土台とする「愛の心の教育」を実践しています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、校長の中山謙一先生は、「ことば」にフォーカスした教育について説明しました。同校では大学卒業後を見据えて、「みずから課題を見いだす力」「表現できる力」を伸ばすためのオリジナルのプログラムを実践しています。たとえば英語については、少人数クラスで授業を実施し、1年間で同じ教科書を4~5回繰り返す「捜真ラウンドシステム」を取り入れて4技能をバランス良く伸ばしていきます。国語では、中1で「聞く・話す」に重点を置いた「国語表現」の授業が週1回あります。また、中2・3では「文章検定」を、高1・2では「小論文テスト」を、高2では「課題発見・解決能力テスト」をそれぞれ実施します。さらに、全学年で校内作文コンクールを実施するほか、外部コンクールにも挑戦し、自分の思考を文章で表現する力を養います。

 また、学校行事やクラブ活動でも自分のことばで発表する場が設けられていて、人前で話す経験を積むことが成長を促しているそうです。礼拝は、生徒一人ひとりが人生を支えることばに出合い、友人に伝える機会となります。ほかにも自分の思いや考えを表現する力を養う機会が豊富なのが特徴です。中山先生は「このように、日常的に表現をする経験を積み重ねることは、大学入試においても総合型選抜や学校推薦型選抜の対策として有効ですし、社会に出た後を見据えた目標意識を育てることにもなります。ぜひ、学校を訪れ、実際の雰囲気に触れていただけたら幸いです」と結びました。

 続いて、総合担当の森川亮先生から進路指導に関する説明がありました。同校では「10年後の自分」を主題として進める6年間の縦断プログラム「捜真Vプロジェクト」を通して、将来の進路選択に有効な総合学習に取り組んでいます。中1・2では「自分にはどのような力、価値があるのか」「他者にはどのような力、価値があるのか」「なぜ勉強するのか」「社会に出て何ができるのか」をテーマに学びます。中3の夏休みには「社会人の方にインタビューをしよう!」という課題が出され、実際に話を聞いて作成した「職業レポート」に基づき、クラスでプレゼンテーションを行います。職業観、社会の変化、女性が働くことへの意識などについて多角的に学び、理解を深めます。このような取り組みによって、自分が取材した職業に興味を持ち、その内容から志望大学や学部・学科を決めて実際に進学する卒業生も多いそうです。

 卒業生は、4年制大学の文系学部に約6割、理系学部に約3割、芸術・体育系学部に約1割が進学します。今春の現役進学率は90%で、そのうち総合型選抜での合格率は71%です。森川先生は「この実績は、生徒の志向や志望する大学・学部・学科に合わせて、複数の担当指導員がチームを組んでサポートしてきた結果です」と強調しました。青山学院大学などキリスト教系の大学を中心に、多くの指定校推薦枠もあり、卒業生の実績からその枠は年々増えています。

 2022年度入試では、「スカラシップ試験」が2月1日午後(2科)と2日午前(2科・4科選択)の計2回行われ、成績上位者10名には奨学金が支給されます。また、4日午前の「対話学力試験」では、試験官との対面による口頭試問で4科の学力試験を行います。筆記試験を行う他の日程では面接がありますが、これは「生徒一人ひとりを大切に受け止める」という同校の教育方針の表れであり、面接の内容が合否を左右することはないそうです。

イメージ写真 カフェテリアと自習室を備えた7号館は明るい日差しが差し込む設計です。2階にある自習室は最終下校後も利用できます

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