受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

春日部共栄中学校

2021年10月5日(火)

2022年度よりコースを改編。生徒の向学心を高める未来型教育を推進

 文武両道で知られる春日部共栄高等学校は、「自主自律」「協調奉仕」「明朗勤勉」を校訓に、グローバル社会で活躍するリーダーの育成に努めている進学校です。2003年には中学校を開校させました。現在進行している大学入試改革や2021年度(中学)と2022年度(高校)からの新学習指導要領の実施に当たって、同校では2020年度より中間考査を廃止しました。各学期の定期考査が期末考査のみとなったのに伴い、単元テストを活用したスパイラル学習を取り入れるなど、より効果的な教育に積極的に取り組んでいます。

 オンライン説明会の冒頭、入試担当委員長の牟田泰浩先生は、2023年の中学創立20周年に向けて推し進めている教育改革の内容について詳しく説明しました。同校では、これから必要となる思考力・判断力・表現力・行動力・自己肯定力の五つの力を育むため、中高6年間を2年ごとに区切った「ステージ制」を導入しています。まず、中1・2の「人間形成と学習・研究アプローチステージ」では、学習習慣を確立し、人間形成のための基礎を作るとともに将来、専門的な研究を行うための基礎的な素養を身につけます。中3・高1の「研究活動完成ステージ」では、研究活動に取り組み、その成果を校内・校外で発表します。そして、高2・3の「大学アプローチステージ」では、それまでの研究の成果を外部コンテストなどに応募する一方、大学入試に向けて学びを深めていきます。

 このなかで同校が最も力を入れているのは中1・2のステージです。牟田先生は「学校では仲間と切磋琢磨して学び、家庭ではみずからを律して学習に取り組めるような思考・習慣を生徒一人ひとりが持てるように指導していきます」と話しました。自律学習の達成度を測る基準として英検®を活用し、中3までに全員が準2級を取得することをめざしています。

 次に、2022年度から新たに設置される「プログレッシブ政経コース」と「IT医学サイエンスコース」の説明に移りました。コース別のプログラムは週3回、7時限目に組み込まれ、それぞれ特色あるキャリア教育を受けることができます。

 まず、国際政治・国際経済の舞台で活躍するのに有用な専門性を高める「プログレッシブ政経コース」で特徴的なのは金融教育で、大手金融機関や証券取引所で働く企業人や研究者を講師に招き、経済学の基本を学んだうえで「模擬トレード」などのオリジナルのプログラムに取り組みます。また、各国の大使館を訪問するほか、ビブリオバトル、模擬国連などにも積極的に参加し、国際政治やグローバルビジネスの分野で求められる知識と発信力を身につけます。

 一方、「IT医学サイエンスコース」は、その名のとおりIT・医学・サイエンスを軸に高度な数学力を養い、将来は各分野の研究者・開発者としてリーダーシップを発揮できる理系人材を育成するためのコースです。数学が得意な中3以上の生徒を選抜し、「飛び級制度」を設けているのも特徴で、高1までに高校3年間の学習内容を終えられるそうです。それ以外の生徒も、IT企業との提携によるプログラミング教育を受け、本物に触れる機会を豊富に設けた実験や研究、医療系学部志望者が対象のメディカル論文講習などを行うことになります。こうした多彩なプログラムを通して、世界に通用する問題解決力・論理的思考力を養います。牟田先生は「週3時間の専門的なキャリア教育を通して、大学進学後、さらには社会人になってからも未来を切り開いていける人材を育成します」と強調しました。

 2022年度入試では、出願時に希望するコースを選択し、合否判定もコースごとに行われますが、出題される問題は共通です。コース改編に伴う変更としては、1月11日午後の入試が「特待チャレンジ入試」になること、1月15日午前にも「特待チャレンジ入試」が新設されることが挙げられます。また、13日午後には2科入試(国語・算数)と算数1科の「IT医学サイエンス入試」が行われます。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 400名以上を収容する移動式観覧席を備えた体育館の「至誠館」。生徒たちは、授業や部活動のほか、昼休みなどにもこの体育館で汗を流しているそうです

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