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学校説明会レポート
東京女学館中学校
2021年10月8日(金)
ていねいな学習指導で、国際社会での活躍を見据えた「包摂的な指導力」を培う
「国を開き近代化の礎となる女子の育成」を志し、伊藤博文が創立委員長として発足した「女子教育奨励会」により、1888年に設立された東京女学館中学校・高等学校。「基礎・基本に根差した個性の伸長」「自ら問題を発見し、解決する力の育成」「他者を思いやる心の育成」を三本柱に、インクルーシブ・リーダーシップ(包摂的な指導力)の形成に向けた女子教育を実践しています。
説明会の冒頭、あいさつに立った校長の渡部さなえ先生は、学校の歴史や沿革に触れながら、「創立委員会のメンバーの一人だった渋沢栄一が説いた『学を好むは知に近きや(日々努力し、学問はもとより、心を磨くことで、自ずと品性が身につく)』ということばは、今なお本校の基本姿勢です。本校がめざす『インクルーシブ・リーダーシップ』とは、1人の優秀な者が常に周りを牽引するのではなく、その場その場に適した者が周囲と協働しながら問題解決をめざすようなリーダーシップのあり方を意味します。それができる力を養うため、体育大会、記念祭(文化祭)、修学旅行などの学校行事はもとより、模擬国連への参加、ビオトープの管理などのさまざまな活動も、実行委員会方式(スタディ・アジェンダ)の下、生徒が主体となって企画・運営しています」と述べました。
学習面では成長段階に応じたきめの細かい指導を徹底しています。進路指導部の井上聡先生は「早い段階で生活習慣と学習習慣を確立するため、入学直後からフォーサイト手帳というスケジュール帳を活用しています。また、休み時間や放課後には、面談や質問を気軽に行えるよう、教職員室前には開閉式の机を設置しています」と説明しました。単元ごとの確認テスト(国語・数学・英語)や小テスト(漢字・英単語)を頻繁に行い、成績不振者には指名制の補習を実施して手厚くケアをしているそうです。
さらに、授業やテストで正解できなかった問題を解き直す「訂正ノート」を提出させて、理解度や進捗状況を把握しています。生徒にとっては、自己分析を通して「学ぶノウハウ」が身につくという校歌があります。同校では、始業前・放課後・長期休暇中に無料の学習講座や体験講座が年間200以上開講されますが、課題研究や検定試験の対策を行うものなど、進路を切り開くきっかけとなる講座も充実しています。
昨年度より、英語科では、海外で出版された教科書を使ってオールイングリッシュで学ぶグループと、日本の教科書を用いて基礎から学習するグループとに分けた少人数制での習熟度別授業を行うようになりました。これは、ペアを組んでの意見交換、グループワーク、ディスカッション、スキットづくり、発表などの機会を多く取り入れたアクティブ・ラーニング形式の授業で、生徒の主体性を引き出します。また、英語で道徳を学ぶ「グローバルコンピテンスプログラム」(中2)、タブレット端末を用いたオンライン英会話(中3)も導入。アメリカ文化研修、東南アジア文化研修、イギリスやアメリカへの派遣留学など、英語力を試す機会も豊富です。
「国際的視野」の育成を目的に1学年に1クラス設置されている国際学級も18年目を迎えました。帰国生と一般生の両方が在籍するこのクラスでは、日本人教員とネイティブ教員の複数担任体制の下、英語圏の現地校に近い授業や国際理解教育・リーダーシップ教育に根差したプログラムを実践しています。国際学級主任のC・ブルネリ先生は「すでに翻訳はAIが行う時代になろうとしています。本校がめざすのは、英語をツールとして価値観の異なる人々とコミュニケーションを取りながら考え、発信していく力の養成です」と強調しました。そのような教育の成果は大学合格実績にも表れており、国際学級からは例年、卒業生の6割程度がGMARCH以上の難関大学に進学しているそうです。ブルネリ先生によると、「文系・理系という分け方をするなら、進学先は文系が主流となりますが、選択科目の選び方次第では、薬学部や看護学部など一部の理系学部への進学も可能です。近年では海外大学に進学する卒業生もいます」とのことでした。
6万冊を超える蔵書を誇る図書館、室内温水プール、フルコンサートピアノを備えた記念講堂などがあり、設備面も充実しています
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