受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

清泉女学院中学校

2021年10月13日(水)

知性と「こころ」を育てる「清泉スペシャル・プログラム」を軸に、教育体制を刷新

 「神の み前に 清く 正しく 愛ふかく」をモットーに掲げる清泉女学院中学校は、スペイン系の聖心侍女修道会が1947年に開校したカトリックのミッションスクールです。中高一貫教育を通じて、「真理を探究する心」と「周りの人を喜ばせることを自分の喜びと感じる心」を育み、知性と思いやりを兼ね備えた自立した女性を育てています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、同校で今年度から実施されている「教育リノベーション」について、中学入試広報部長の瀧康秀先生が紹介しました。授業時間をこれまでの45分から65分に拡大し、主体的・対話的な深い学びを実践します。隔週土曜日には探究活動や補習のための時間を設け、大学入試に対応する思考力・表現力の養成も図ります。卒業生チューターによる学習アドバイスも始まりました。また、学校の年間スケジュールに即して、従来の2期制が3学期制になり、学習体制も大きく変わりました。

 続いて、同校が取り組んでいる四つの「清泉スペシャル・プログラム」について説明がありました。まず、「ライフ オリエンテーション プログラム」は、中高6年間を一貫して体験型の「こころの教育」を実践し、周囲への優しさや思いやりを育むとともに、自己肯定感を高めるものです。「自分・他者・世界とのつながり」をテーマにした「倫理の授業」や、さまざまな体験型校外学習、ボランティア活動などを通して、自分の使命に気づき、それを社会にどう生かしていくかを考えます。瀧先生は「自己肯定感と強い心を持ち、他者に手を差し伸べる、ゆとりと愛にあふれた人間形成をめざします」と話しました。

 「グローバル プログラム」では、コミュニケーションツールとしての語学教育に力を入れています。たとえば、英語は中1から3段階の習熟度別による少人数制授業を実施します。また、世田谷区用賀にある清泉インターナショナルスクールでの1週間の国内留学(中3)をはじめ、希望者を対象とした多彩な異文化体験のプログラムがあります。ニュージーランド短期留学(中3・高1)、ベトナムスタディーツアー(高1・2)のほか、近隣の栄光学園高校の生徒と共にアメリカの名門大学でリーダー研修を受講する「ボストンカレッジ夏季研修」などの海外研修も実施しています。瀧先生は「中2から高2までの希望者を対象としたFLIP(Foreign Language Interactive Program)という多言語学習プログラムもあり、オンライン英会話のほか、中国語やスペイン語の学習に取り組んでいます」と述べました。

 一方、「ライフ ナビゲーション プログラム」は、予測不可能な未来社会で生きていくための進路探究プログラムです。社会で活躍している卒業生の講演会、職場見学、清泉女子大学や上智大学の教員による大学出張授業など、将来を考える機会が数多く設定されています。また、中3での「My Story Project」は、みずから探究したいテーマを見つけて自由な表現方法で発表するもので、主体的な学びのなかで論理的思考力を養うのが狙いです。生徒にとっては、これが進路選択のきっかけにもなっているそうです。

 そして「サイエンス・ICT プログラム」では、野外実習や実験・観察に加えて、先進的なICTツールを利用した学習にも取り組んでいます。同校では、全教室に電子黒板を設置し、Wi-Fi環境を整備しました。1人1台のタブレット端末を使用して、想像力や考える力を磨く授業を行っています。ICTを活用した取り組みが評価され、「学校情報化優良校」に認定されたとのことです。

 最後に、大学進学について説明がありました。姉妹校である清泉女子大学への推薦枠に上限はなく、一定の成績条件を満たしていれば進学が可能とのことです。また、同校は上智大学との結びつきが深く、2020年度から始まった「カトリック高等学校対象特別入試」では出願した13名全員が合格したそうです。さらに、一定の出願条件を満たせば、清泉女子大学への被推薦権を保持したまま、他大学の入試に挑戦できる制度もあります。瀧先生は「生徒一人ひとりが理想を実現できるような指導をしています。国公立大学、難関私立大学、医学部、芸術学部など、卒業生の進学先は多岐にわたります」と結びました。

イメージ写真 約7万㎡の広大な敷地には、200mトラックがある天然芝の第1グラウンド、ハンドボールやソフトボールができる第2グラウンド、テニスコート(ハード3面・人工芝2面)などの充実したスポ―ツ施設がそろっています

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