受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桐朋女子中学校

2021年10月13日(水)

体験を重視した学びで論理性を養うとともに、創造力豊かな女性を育てる

 「こころの健康 からだの健康」をモットーに、創造力豊かな女性を世に送り出してきた桐朋女子中学校・高等学校。「通知表を廃止し、個人面談を通して成績を伝達する」「2学期制で秋休みがある」「中高6年間を2年ずつ区切ったブロック制を導入している」などの、特徴的な教育システムを取り入れている女子進学校です。

 説明会の冒頭、校長の今野淳一先生は、アメリカの教育学者であり哲学者でもあるジョン・デューイの「Learning by Doing」ということばに触れ、「本校では、いろいろな経験を通して生徒たちに物事に取り組む姿勢を身につけてほしいと考えています」と話しました。そのために欠かせないこととして今野先生が挙げたのが、社会を生きていくために不可欠な資質となる「論理性」です。

 同校では、さまざまな学びの場面で論理性を養う工夫がされています。なかでも代表的なのが、中1~高2の5年間にわたり、社会科・地歴公民科の授業で年に2回、レポートを書くという取り組みです。定期的にレポートをまとめることで、物事を論理的に整理する力、調べる力、分析力などを着実に高めていくのです。今野先生は、その「成果」として、現在、大学で学ぶ、ある卒業生の例を紹介しました。「大学にも『個人のロッカーがほしい』と考えた彼女は、ただ要求するのではなく、まず自分でどのようなロッカーがあるのかを調べ、複数を比較検討し、さらには業者に見積もりを取ったうえで、大学に設置の提案をしました。大学側もそれに応えて、試験的な導入にまで至ったのです」

 英語教育についても説明がありました。授業では“Almost All English”を心がけ、文法などの説明こそ日本語で行いますが、基本的に英語で聞く・話すように進めています。高1では、タブレット端末を使用してオンライン英会話を実施。また、2022年度から導入される予定の「豪州・シンガポール研修」(高1の希望者対象)は、夏休みにオーストラリアのアデレードでホームステイをしながら現地の女子高校St. Aloysius Collegeでの授業体験、シンガポール訪問などを予定しているそうです。

 2019年には東京女子大学との連携協定を締結しましたが、2020年は新型コロナの影響でそれに基づく活動ができませんでした。2021年からは出張講義などの交流を少しずつ再開しています。さらに2022年度からは、連携校推薦制度により、卒業生のうち最大25名が東京女子大学に進学できるようになります。

 続いて、同校のOGの大学生より、「桐朋女子で学んだこと、今に影響していること」をテーマとしたプレゼンテーションが行われました。初めに、教育の特徴として「ホンモノに触れる授業」が挙げられ、グループワークやレポート作成の機会が多い授業の様子、登山や観劇を楽しむ学年活動日、視野を広げる海外研修など、体験を重視した学びの機会が豊富なことが紹介されました。また、クラブ活動、生徒会活動、学校行事などは生徒が主体となって運営していくため、協調性・問題解決能力・計画力などが育まれるそうです。卒業生は「これらの経験は、大学選びや大学生活、進路選択にも大きな影響を与えました。桐朋女子に入学して、自分が輝ける場所が見つかったのだと思います」と、力強く語ってくれました。

 最後に、副校長の今関光枝先生より、2022年度入試について説明がありました。一般入試は前年度と同様、2月1日午前のA入試(国語・算数の筆記試験と口頭試問)、1日午後のCreative English入試(英語1科型)、2日午前の論理的思考力&発想力入試(適性検査型の記述形式)、2日午後のB入試(2科4科選択の筆記試験)の計4回実施される予定です。今関先生は「学校や塾での授業だけではなく、家庭での料理や外出などの時間も大切にして、そこでのさまざまな体験をことばで表現する力をつけてください」とアドバイスしました。

イメージ写真 校内には、蔵書約9万冊の図書館、七つの理科実験室、四つの音楽室などが完備されています。約1万㎡のグラウンドや温水プールといった体育施設も充実しています

chuko.toho.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ