受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

公文国際学園中等部

2021年10月14日(木)

「混ぜて、任せて、考えさせる」教育で自律と自立を促し、自学自習力を持った生徒を育てる

 公文国際学園は、公文式教育の創始者・公文公(とおる)によって1993年に設立された共学の中高一貫校です。制服や校則のない自由な校風の下、「学校」「寮」「公文式」を教育の三本柱と位置づけ、「自ら学び、考え、判断し、行動する」生徒を育てています。

 説明会の冒頭であいさつに立った校長の梶原晃先生は、横浜市にある同校だけではなく、スイスにある関連校にも共通する理念として、「個々の人間に与えられている可能性を発見し、その能力を最大限に伸ばす」を挙げました。梶原先生は「生徒が葛藤しながら、自分のなかの『もう一人の自分』と対話し、自分自身を育てていく『メタ認知』が必要です」と前置きし、同校が重視している「混ぜて(さまざまな違いを持った人を一緒にする)、任せて(失敗してもいいからやらせてみる)、考えさせる(論理的に考える力を身につける)」という教育方針について、「多様な生徒たちを『混ぜる』ことで摩擦を引き起こし、『任せる』ことで生徒たち自身に責任を負わせ、『考えさせる』ことで悩んだり迷ったりさせます。こうした経験を通して、成長につなげていくことが狙いです」と述べました。共学校という環境や、他律的な校則と制服がないことも、このような方針で教育を実践するための大切な要素となっています。

 次に、教育プログラムについて具体的な説明がありました。同校では日常的な学びを通してコミュニケーション力やプレゼンテーション能力を向上させるために、ユニークなカリキュラムを採用し、ネイティブ教員による英語の授業、設定したテーマに沿って創意工夫をこらした表現をする探究型学習「プロジェクトスタディーズ」(高1)などを行っています。また、生徒の主体性を育む場として重視しているのが、宿泊行事や課外活動です。失敗しながら解決策を探る「冒険型体験学習」(中2)、生徒が自分たちで行き先を決め、コンペでのプレゼンテーションを通して6コースに絞った目的地に行く「日本文化体験」(中3)、グローバルな視点で世界の諸問題を議論する「校内模擬国連(MUNK)」「海外模擬国連(MUN)」などがあります。また、体育祭や表現祭(文化祭)などの学校行事は生徒たちが主体となって企画・運営しています。このような多彩なプログラムを通して、社会に出てから直面する未知の問題や課題を解決していく力を育んでいるのです。

 同校の最大の特色でもある公文式学習には、週に1度の「公文式放課後教室」と、平日の授業開始前に行う「公文式朝学習」で取り組みます。今年度からは数学・英語がiPadを使用した教材で学べるようになったため、夏休みなどの長期休暇中も公文式学習に継続して取り組むことが可能になりました。

 敷地内には男子寮と女子寮が併設され、国内外から集まった生徒たちが共同生活をしています。仲間との生活を通して生活面での「自律と自立」を促し、周囲と交流を深めながら協調性やコミュニケーション力、他者を理解する姿勢を身につけていきます。自宅通学の生徒も希望すれは中1で「寮体験プログラム」に参加し、約4か月間、寮生活を体験できるとのことです。梶原先生は「本校は、生徒一人ひとりが答えのない問いに対して悩んだり迷ったりしながら、多様な集団のなかで自分自身を成長させられる学校です」と結びました。

 2022年度入試については特に変更点はありません。入試問題は「自ら学び、考え、判断し、行動する」という教育方針に基づいて作成されていて、「問題解決能力、想像力・創造力、論理的思考を問う」とのことです。合格基準点に到達するためのポイントとしては、「基礎・基本をしっかりと定着させる」「問題文はすばやく読み、解答欄にはていねいに書く」「文章での解答は、採点者に伝わるように表現する」「最後まであきらめずに解く」の4点がアドバイスされました。

イメージ写真 横浜市戸塚区にある広大なキャンパスには、男女の寮をはじめ、人工芝グラウンド、ビーチバレーコート、室内温水プールなど充実した施設があることも魅力です

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