受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

静岡聖光学院中学校

2021年10月15日(金)

先進的な学びの空間を活用し、自立した学習者・探究者を育てる

 静岡聖光学院は、神奈川県の聖光学院の兄弟校であり、海外にも兄弟校を持つミッションスクールです。駿河湾や富士山を一望する丘の上のキャンパスには、二つの生徒寮があり、首都圏を中心に県外からも多数の入学者を集めています。

 オンライン説明会の冒頭、経営企画室長の田中潤先生は「マタイによる福音書」の「あなたがたは地の塩である。あなたがたは世の光である」という一節に触れ、「地の塩・世の光の担い手となる」という同校のディプロマポリシー(生徒の学修成果の目標)を紹介。「生徒一人ひとりが外に出て他者と交わり、世を照らす光へと成長してほしい。豊かな学識と人間性を養い、社会に貢献できるジェントルマンになってほしいという意味が込められています。変化の大きい時代だからこそ、この教えを原点とし、先進的な学びの空間のなかで充実したプログラムを実践していきたいと考えています」と話しました。

 創立50周年を機にリノベーションされた校内には、カフェと図書館を融合させた「Seiko Culture Lab(聖光カルチャーラボ)」、国際プレゼンテーションなどに活用する「Pierre Robert Hall(ピエールロバートホール)」、巨大スクリーン・ハイスペックパソコン・3Dプリンター・教育用ロボットなどを備えた文理融合デジタル創造工房「BIGIRION Garage(ビギリオンガラージ)」などがそろい、新時代の教育を支えるための工夫に満ちた創造的な環境となっています。

 具体的な教育の内容については、「授業・学習支援」「STEAM」「Project」「Global Immersion」の四つのキーワードを挙げながら説明がありました。

 まず、「授業・学習支援」では、教員が一方的に教えるのではなく、生徒に問いを投げ掛けることから始めます。生徒はその問いについて調べ、考え、新しい発想を生み出し、得られた知識を実際に活用するというプロセスを経て、学びを深めていきます。田中先生は「このような学びを通じて得た知識・教養・体験・経験の学習循環を“Will(学ぶ意欲)”として、大切にしています」と話します。2022年度からは英語と数学の朝学習を導入します。確認テストの結果をAIが解析したうえで演習問題を出題するというアダプティブ・ラーニング(個別最適化学習)を行い、これを長期休暇中の学習にも活用していく予定です。

 さらに、科学・技術・工学・数学・リベラルアーツとプログラミングを融合した「STEAM」では、プログラミングの授業が中1から行われています。「BIGIRION Garage」を拠点に中学3年間で100時間以上の時間をかけ、高校ではアプリ開発やゲーム開発まで幅広く学びます。

 続いて探究活動を指す「Project」では、「生徒はどの分野に興味があるのか、その分野が抱える課題とは何か、解決するにはどうすればよいか」について考えさせる仕掛けを数多く設け、STEAMで培ったスキルを活用して課題を解決する能力を育成していきます。

 そして、「Global Immersion」について田中先生は、「これまで話してきた三つの課題解決を海外で行う取り組みです」と説明します。その一つとして、将来は海外で学びたいという生徒に向けて導入したのが「ケンブリッジA-Levelプログラム」です。希望者は放課後、双方向型のオンライン授業が受講できます。これにより、日本にいながらイギリスの生徒と同等の学習に取り組めるだけでなく、2年間のプログラムを修了後、資格認定試験に合格すると、ケンブリッジインターナショナルA Level資格保有者として、海外名門大学を直接受験できるようになります。

 最後に、入試広報部の伊藤哲大先生から、生徒寮の紹介がありました。寮で最も重視しているのは心の教育です。伊藤先生は「親元を離れて自立し、仲間と集団生活を送ることで、一生の仲間と人間力を得ることができます」と結びました。

イメージ写真 文理融合型デジタル創造工房「BIGIRION Garage」での授業風景。プログラミングはもちろん、デジタルアートや映像の制作、音楽など、さまざまな創造活動が楽しめます

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