受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

神奈川学園中学校

2021年10月26日(火)

変化する時代に必要な「生きる力」と「判断力」を備えた、自立した女性を育てる

 神奈川学園中学校・高等学校は、1914年に開校した横浜実科女学校を前身とする女子進学校です。創立者・佐藤善治郎が掲げた「女子に自ら判断する力を与ふること」「女子に生活の力量を与ふること」という教育理念の下、生きる力と判断力を兼ね備えた、自立した女性の育成をめざしています。

 説明会の冒頭、あいさつに立った校長の及川正俊先生は、最近の生徒たちの様子について次のように紹介しました。「本校の文化祭では、生徒たちがクラスごとに展示教室を作り、研究発表を行います。今年度から、文部科学省が認定する『SGH(スーパーグローバルハイスクール)ネットワーク』にも参加しており、現在、新たなチャレンジとなる12月の『全国高校生SGHフォーラム』の準備も進めています。本校では、このような校外での“他流試合”の機会も、成長の場として大切にしています」

 続いて、入試広報委員の島智彦先生が教育内容を説明しました。同校では、「一人ひとりを大切にした教育」「社会のなかで人を育てる教育」を土台に、併設型中高一貫校の利点を最大限に生かし、無理のない先取り学習を行っています。中学では、2人担任制を採用して、日々成長する生徒たちの変化を多面的に見守ります。ゲームや共同作業で友だちとの関係を深める「エンカウンター」の取り組みによって、生徒同士のつながりを支えます。また、生徒たちは「Diary」と呼ばれる学習計画表に、家庭学習の内容や日々の出来事などを自由に書き込み、毎日提出します。この「Diary」のやり取りを通して、生徒の悩みや相談にも対応しているそうです。

 昨年度は、中1はTGG(東京グローバルゲートウェイ)研修、中2は横浜探検や学年運動会、中3は多文化共生研修やオンラインでの国際交流を実施するなど、新型コロナウイルス感染症の影響下においても、生徒たちの視野を広げる取り組みを行いました。高1の国内フィールドワークでは、沖縄、水俣(熊本県)、京都・奈良、四万十(高知県)、岩手・宮城の五つのコースから生徒自身が行き先を選びます。社会の課題を学ぶこの行事をきっかけに、将来の進路を見つける生徒もいるそうです。島先生は「図書委員会主催の全校講演会も、生徒たちが講演者の人選と依頼を行います。このように、行事などを通してみずからが主体となって多くの人や社会と出会うなかで、自立心が育まれ、判断力が培われています」と強調しました。

 授業は週6日制ですべての科目で標準以上の時間数を確保し、無理のない先取り学習を行っています。中学の英語教育には、「KG流ラウンドシステム」を導入。ネイティブ教員による1クラスを3分割して行う英会話のほか、日本人教員による文法の授業、教科書の内容を繰り返し学習するラウンド授業などを通じて、4技能を高めていきます。各種資格検定の取得にも力を注ぎ、2020年度の卒業生の英検®2級以上の取得率は67.9%に達しました。理科では中学3年間で100以上の実験・観察を行い、数学には思考力・読解力を高める活動を取り入れて理数教育も充実させています。さらに、ICT教育を推進し、全員がノートパソコンを所有し、さまざまな場面で活用しています。オンライン授業も進化し、今年9月には「リアルタイムZOOM」「動画配信」「課題+確認フォーム」を組み合わせた「ブレンド型オンライン授業」が実施されました。

 2022年度の一般入試は、2月1日の午前と午後、2日午前、4日午前の計4回実施されます。2021年度からの変更点は、各回の募集人数です。1日午前がこれまでの70名から10名増えて80名となり、1日午後と2日午前が5名ずつ減ってそれぞれ30名、60名となります。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 全天候型のグラウンドや創立100周年記念ホールなどの充実した施設がそろっています。近隣には緑豊かな沢渡中央公園があり、同校でも教育活動に利用します

www.kanagawa-kgs.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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