受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都立両国高等学校附属中学校

2021年9月29日(水)

2022年度から
完全中高一貫教育をスタート

 1901年に設立された東京府立第三中学校を前身とする東京都立両国高等学校は、芥川龍之介や堀辰雄といった文学者の母校としても知られています。2006年には附属中学校が開設され、併設型の中高一貫校となりました。同校は2022年度からは高校募集を停止し、完全中高一貫教育をスタートさせます。

 オンラインで行われたこの日の説明会の冒頭、校長の金田裕治先生は、「校訓『自律自修』の下、みずからの未来を切り開く意欲と行動力を持ち、活躍できる生徒の育成をめざしています」と述べました。その根底にあるのは「授業を大切にする」という基本方針です。主要教科の授業時間数を十分に確保したうえで、専任教員による質の高い指導を行っています。

 都立高校屈指の進学実績を誇り、今春の卒業生185名のうち59名が国公立大学に合格しました。早慶上理など難関私立大学にも多くの合格者を輩出し、加えて現役進学率も例年8割以上を記録。その成果の原動力となっているのが、「理科・数学教育の充実」「志学(キャリア教育)の推進」「英語によるコミュニケーション能力の育成」「言語能力の育成」を四本柱とした特色ある教育活動です。

 「実験・観察の重視」をモットーとする理科は、物理・化学・生物・地学の分野ごとに専門の教員が担当します。金田先生は「中学段階から高校の実験室を使用し、本格的な実験が行えることもメリットです」と強調しました。また、「数学的な見方や考え方の重視」を徹底する数学は、中1・2でクラスを2分割した少人数制授業を行い、基本的な計算力を徹底的に養成したうえで論理的思考力を高めていきます。

社会貢献の意識を高める「志学」と
4技能を伸ばす英語教育

 キャリア教育にも力を注ぎ、「総合的な学習の時間」に「志学」としてさまざまな活動を行っているのも特徴です。たとえば、職場体験や、社会の最前線で活躍する卒業生や専門家などを招いての講演会を実施し、確かな職業観・勤労観を培うと同時に、将来、社会に貢献するための志や使命感を育成していきます。

 実践的な語学力の養成をめざし、英語でコミュニケーションを図る機会も豊富に設けています。常勤のネイティブ教員が担当するオールイングリッシュの授業を中1から行い、オンライン英会話も導入。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年連続で実施できていませんが、中3の希望者全員が参加するアメリカ語学研修では、10日間のホームステイを通じて異文化に触れ、視野を広げるとともに、実践的な語学力に磨きをかけていきます。このような取り組みの結果、中学卒業までに8割以上の生徒が英検®準2級以上を取得します。

 「言語能力の育成」については、すべての教科で、グループ活動・レポート作成・スピーチ・プレゼンテーションなどの機会を豊富に設け、対話的な学びを実践。すべての知的活動の基盤となる読解力や記述力の向上を図っています。

 学年ごとの遠足や、林間学校(中1)、English Summer School(中2)、合唱コンクール、球技大会など、多彩な年間行事についても紹介がありました。金田先生は「昨年はほとんどが中止となりましたが、生徒の努力と工夫の下、本校の二大行事である体育祭と文化祭は形式を変えて実施できました」と報告し、説明会を締めくくりました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 JR・東京メトロ半蔵門線「錦糸町」駅から徒歩5分、都営新宿線「菊川」「住吉」駅から徒歩10分という通学に便利な立地も魅力です

www.ryogoku-fuzoku-c.metro.tokyo.jp/site/zen/ 別ウィンドウが開きます。

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