受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

洗足学園中学校

2021年10月7日(木)

「自立」「挑戦」「奉仕」を柱に
生徒の可能性を広げる教育を実践

 建学の精神に「謙愛」を掲げる洗足学園は、1924年、自立した女性を育てる場として設立されました。同校はミッションスクールではありませんが、創立者の前田若尾先生が敬虔なクリスチャンであったことから、校名は、聖書「ヨハネによる福音書」第13章にある「あなた方も互いに足を洗い合えるような謙虚で慈愛に満ちた気持ちを持ちなさい」というイエスの弟子たちへのことばに由来しています。

 オンライン説明会の冒頭、教育目標として「自立」「挑戦」「奉仕」の三つを挙げた校長の宮阪元子先生は、「本校は100年近い歴史のなかで、この教育目標を大切に継承する一方で、教育の中身やシステムについては、時代に合わせて積極的に改革していきます」と述べ、同校の教育の特徴を紹介しました。

 その一つが、文系・理系を問わず全員が5教科を必修で学ぶ6年間のカリキュラムです。宮阪先生は「高3まで全員が数学を学ぶ5教科必修体制により、進路選択の幅が大きく広がります。卒業後に自分の夢を実現させるためには、幅広く奥深い知識を身につけることは非常に重要です」と強調しました。

 また、学校行事はすべて生徒たちが主体となって企画・運営し、模擬国連や海外ボランティアなど「他流試合」と呼ばれる学外活動へのチャレンジも推奨しています。さらに、「心を育てる」教育として、中学の音楽の授業では、バイオリン・チェロ・フルート・クラリネットのうち一つを演奏できるようになることをめざします。美術・書道にも力を注ぎ、茶道・華道にも取り組んで、豊かな情操を育んでいます。

 宮阪先生は「生徒たちに『認められている安心』『質の高い学びができる安心』『進路実現の安心』を常に感じてもらえるような教育を実践しています。本校での6年間の学びを終えて、広い世界で自分の能力を発揮し、社会に貢献できる人材になってほしいという願いを込めて、教職員全員で一人ひとりの生徒に寄り添っていきます」と語りました。

主体的で対話的な深い学びを重視
教科横断型の授業を積極的に導入

 次に、校務主任の玉木大輔先生から教育内容の説明がありました。同校では、新しい社会で必要となる「汎用的な技能・態度・志向性」を養成するため、主体的で対話的な深い学びを重視しています。玉木先生は「研究論文の作成などの探究的活動でリテラシー力を高め、答えがない問いに対峙する『哲学的対話』を通してコンピテンシー力を養い、生徒たちは、学内外の活動でそれらの力を発揮しています」と話しました。

 授業は1コマ65分。教科横断型の授業を多く取り入れていることも特徴の一つです。玉木先生は英語のレシピで調理実習を行う家庭科や、法則の証明に数学を用いる物理の例を挙げ、「本校では社会に出た後を見据えて教科の枠組みを超えた授業を行い、生徒たちの知的好奇心を刺激するとともに感性を引き出しています」と述べました。このほか、大学や企業と連携した教養講座や特別講座など、多彩な学びの機会があります。

 このような充実した教育の成果は進路にも表れ、2021年春は東京大学10名を含む国公立大学に106名、医学部医学科に56名、早慶上理に330名が合格しました。玉木先生は「学校だけで希望の進路をかなえられる課外講座を開講しています。海外大学への進学にも対応しており、幅広い進路を選べるのが本校の最大のポイントです」と結びました。

イメージ写真 2020年にコミュニティスペース「ミネルヴァカフェ」が誕生。洗練されたデザインの校舎には充実した教育環境が整っています

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