受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

お茶の水女子大学附属中学校

2021年10月9日(土)

多様な体験を通して人間力を高め
自主自律の精神を育む

 1882年開校の東京女子師範学校附属高等女学校を起源とするお茶の水女子大学附属中学校。戦後の学制改革により、東京女子高等師範学校附属中学校に改称されるとともに共学校となりました。

 中学校の男女比は1対2ですが、附属高校へは女子のみが進学します。「自主自律の精神をもち、広い視野に立って行動する生徒を育成する」という教育目標を掲げ、教育の三つの柱である「あたたかく深い人間力」「グローバルな視座」「科学的・論理的思考力」の育成をめざして、さまざまな体験を重視した教育を実践しています。

 オンラインで開催された説明会の冒頭、副校長の佐々木善子先生が同校の三つの魅力について語りました。

 一つ目は「多くの力・可能性を持つ生徒たち」です。同校には体育大会をはじめ、生徒主体の学校行事が数多くあります。全学年で行う宿泊行事では、準備段階から生徒がリーダーシップをとり、グローバルキャンプでの異文化体験(中1)、林間学校での環境学習(中2)、震災復興学習や農家での民泊を体験する東北地方への修学旅行(中3)を実施。「9月の生徒祭(文化祭)も、生徒が主役の行事です。クラスや自主グループでの企画は、実行委員会の審議を通過しないと参加できません。コロナ禍で多くの制限があるなかで一人ひとりが工夫を凝らし、今年も充実した生徒祭が開催されました」と、佐々木先生は話します。

 また、40年以上続く「自主研究」は、生徒の探究心を育て、個性を磨く中学3年間の継続プログラムです。みずからの興味・関心に基づくテーマに沿って本格的な研究に取り組み、中3ではその成果を研究集録にまとめ、大学講堂で行われる発表会や生徒祭で披露します。生徒会活動も活発で、真夏には自由服での登校を可能にするなど、生徒の要望を聞き、自分たちの手で制度として実現させているそうです。

国立大学附属校ならではの
先進的な教育環境を整備

 二つ目の魅力として挙げられたのは、「一人ひとりを大切にする教師集団」です。佐々木先生は「本校には専門性の高い教員がそろっており、文部科学省の指定を受けて、最先端の教育活動を行っています。また、徹底して日々の授業を重視し、きめ細かい指導を心がけています」と述べました。帰国生教育にも長い伝統があり、それぞれの状況に応じた学習指導が行われています。

 そして、三つ目の「学びを支える充実した学習環境」として、大学附属校であることのメリットが紹介されました。大学の教員による講義や研究室訪問などが実施されるほか、大学の設備・施設を利用することも可能です。さらに、1人1台の端末を使用できる環境を実現し、ICTの活用を推進。デジタル・シチズンシップ教育に取り組んでいます。

 最後に、佐々木先生は受験生に向けて「何事にも積極的に挑戦し、各教科の基礎・基本をしっかりと身につけてください。最も心がけてほしいことは、『違いを認めて、豊かな人間関係を持つ』ことです。それはこれからの社会でも、自分自身が幸せに生きていくうえでも、本当に大切なことだからです」というメッセージを送りました。

イメージ写真 ナーサリーから大学までが集う、自然に恵まれたキャンパス。附属高校には女子の7割~8割が進学します

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