受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

千代田国際中学校

2021年10月22日(金)

海外大学進学を見据えた学力と能力を養う「未来の学校」が来春、中学募集を再開

 今から150年前(1871~73年)に欧米諸国を回った岩倉使節団に同行し、海外の宗教事情を視察後、政教分離を主張した僧侶・島地黙雷。その島地が、仏教に基づく女子教育を行う場として1888年に開校した女子文芸学舎から発展したのが、千代田女学園中学校・高等学校です。2016年には武蔵野大学と法人合併し、2018年には武蔵野大学附属千代田高等学院に改称するとともに共学化されました。このとき国際バカロレアの認定校にもなっています。中学校は、2022年度入試より、千代田国際中学校として募集を再開します。

 校長に就任するのは、武蔵野大学中学校・高等学校の学園長として学校の改革を推し進めてきた日野田直彦先生です。学習塾出身の民間人校長として、36歳で大阪府立箕面高等学校に着任し、同校の進学実績を大いに高めた日野田先生の手腕に大きな期待が寄せられています。

 この日の説明会の冒頭、あいさつに立った日野田先生は、「見据えているのは、今の小学生が働き盛りの年代となる2050年です。これまでにない学校にするための準備を、意欲的に進めています」と話します。日本が“奇跡”ともいわれる戦後復興を遂げたのは、“挑戦者”がたくさんいたからです。人は、失うものがないときこそ、失敗を恐れず果敢に挑戦できるものです。『未来は自分たちでつくる』。そんなスピリットを育むために、何をもって社会に貢献するのかを見いだす教育を提供したいのです」と語りました。

 教育の基盤とするのは「CHIPS(Chiyoda International Purpose Spiral)」です。生徒たちが何事に対しても「なぜそれを学ぶのか」という目的意識を持って臨めるよう、次のような三つのタイプの学習を行います。まず、平日の午前には、従来の講義型授業を中心とした「SBL(Subject Based Learning)」で教科ごとの基礎知識・技能を習得し、ほかの活動を支える土台を固めます。また、平日の午後には課題解決型のプロジェクト学習に挑戦する 「PBL(Project Based Learning)」を実施します。ディスカッションや哲学対話などを盛り込みながら、幅広いアプローチで物事を追究し、知識をアウトプットするスキルを養っていきます。そして土曜日には、視野を広げる多彩なプログラム「LAP(Liberal Arts Project)」を行う予定です。たとえば、外部施設等での校外学習やゲスト講師による講義を受講するなど、実体験を通して「自分らしさ」を深める活動を行います。

 国際社会で通用する英語力の養成にも力を注ぎます。「4技能をバランス良く伸ばすのは当然のことですが、本校がめざすのは、自分の考えを堂々と発言できるマインドをも育てることです」と日野田先生。「ネイティブスピーカー並みの英語力を持つ帰国生から一般の生徒まで、能力別に学べる授業体制を整えます。最終的には、海外大学進学を可能にするレベルにまで高めていきます」と話しました。

 部活動の代わりとなる「放課後活動」を実施するのも特徴です。「実費での参加となりますが、運動系・文化系など専門の講師を招いての講座を検討しています」とのことでした。

イメージ写真 Wi-Fiを完備した校舎では、大学レベルの設備を整えた理科室やARC(Academic Resource Center)が設置されるなど、リノベーションが進められています

https://chiyoda.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ