受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京学芸大学附属小金井中学校

2021年10月25日(月)

観察や研究の機会を数多く設け、生徒の知的好奇心を刺激する

 東京学芸大学附属小金井中学校は、東京学芸大学の教育研究機関として、1947年に設立されました。体験・活動を中心とした教育を重視し、実験・実習・観察・作文・討論などを通して五感をはたらかせながら学びを深める機会を数多く設けています。

 この日、オンライン説明会であいさつに立った校長の坂口謙一先生は、「東京学芸大学の附属中学校3校のうち、大学と同じ敷地内に校舎を構えるのは本校だけです。そのため、生徒たちは、大学と連携した教育を受けることができます。また、広大で緑豊かなキャンパスを舞台に、学力だけではなく人間性も豊かに育むことを重視し、魅力ある若者の育成に力を注いでいます」と語りました。

 次に、広報係の柴田翔先生が教育内容や学校生活について紹介しました。同校では「修学旅行」「課題研究」「外部機関との連携」を軸とした教育を実践しています。一つ目の「修学旅行」について、柴田先生は「本校の修学旅行は『卒業旅行』ではありません。単に観光名所を回るものではなく、探究の学びを目的としています。そのため、学年ごとに実施し、どの学年も約半年間かけて事前学習や現地での学習、事後学習に取り組んでいます」と話しました。その行き先は、中1は北総・常南方面で、伊能忠敬記念館や成田山新勝寺とその門前町などを訪れ、自然・産業・文化の観察・調査方法や、それぞれの職業の持つ意味・背景などについて考察を深めます。中2は、秩父・長瀞方面を訪問します。理科の野外学習として地層や化石の観察を行い、科学的な推測を立てる力を養います。そして、中3では歴史・美術・国語の総合学習として奈良・京都に出掛け、教科の枠を超えた複合的な視点から、「人と文化」のかかわりについて考えます。学年が上がるにつれて、対象が「見えるものから見えないもの」に変わるため、「見えないものを見えるようにする」ことが重要な学びとなるそうです。

 中2の「課題研究」では、「ストーリードラマ」「鹿児島学」など、さまざまな分野の講座を開講し、生徒たちは興味・関心に合わせて選択して1年がかりで研究に取り組みます。なかには「英語狂言」などといった教科横断型の講座もあり、多面的・多角的なものの見方や考え方、課題探究力、解決力などを養っていきます。

 三つ目の「外部機関との連携」では、大学教授による専門的な授業を実施したり、大学生との議論の場を設けたりするほか、大学の広大な敷地を活用した自然観察なども行って、生徒の知的好奇心を刺激しています。また、科学館や美術館など、外部機関と連携した学習の機会も豊富です。国立研究開発法人科学技術振興機構主催の「科学の甲子園ジュニア」や「国際科学オリンピック」など、自然科学系、社会科学系、人文科学系の各種コンテストにも生徒は積極的に参加しています。

 一方、「文化を育み、それを発揮する場」として学校行事も大切にしています。なかでも特徴的な行事は「スポーツフェスティバル」です。これは学年を縦割りにした男女混合のチームで行う競技大会で、生徒はフットサル、アルティメット、ソフトバレーボールの3競技から自分が出場するものを選択できます。ルールなどの取り決めは生徒自身が行うため、自発的に運営する力、自分が能力を発揮できる場を創造する力、フェアプレーの精神などが身につくそうです。このほか、日ごろの研究や部活動の成果を見せる学芸発表会、1年間を通して培ってきたクラスの団結力が試される合唱祭など、多彩な行事があります。

 2022年度の一般入学選抜は例年どおり2月3日に行われる予定です。検査は2021年と同様、検査Ⅰ(国語)・検査Ⅱ(算数)・検査Ⅲ(社会)・検査Ⅳ(理科)の成績と報告書の内容とによる総合評価となり、面接は行いません。

イメージ写真 「武蔵小金井」「国分寺」の両駅から徒歩15分の場所にある、緑に囲まれた広大なキャンパス。人工芝のグラウンドも魅力です

www.u-gakugei.ac.jp/~gkoganei/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ