受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

大妻中野中学校

2021年11月2日(火)

実践的なグローバル教育を推進し、多彩なプログラムで世界への広い視野を培う

 中野区にある大妻中野中学校・高等学校は、4校ある大妻女子大学の付属校のうちの1校です。「学芸を修めて 人類のために(Arts for Humankind)」を建学の精神として、豊かな情操を育み、グローバル社会で活躍できる女性を育成しています。

 オンライン説明会の冒頭、入試広報担当の篠原洋二先生は「女子教育の良さの一つは、すべてを女子だけで行うことにあります。『自分がやらないと物事が動かない』という意識が生まれ、帰国生と共に一つの学校を作り上げていく本校の国際教育と結びついて、社会への参画力やグローバルマインドが養われます」と述べました。

 同校では、難関大学進学を見据えて発展的な学習を行うアドバンストコース(ADC)と、英語教育に特化したグローバルリーダーズコース(GLC)の2コース制を採用しています。このうちADCは、2科4科選択の「アドバンスト入試」と適性検査型の「新思考力入試」を経て入学するコースです。一方、GLCは、全校生徒の約1割を占める帰国生と、「グローバル入試」に合格した国内生とで構成され、英語の授業は、英語を母語とする教員が中心となって習熟度別に実施します。行事やクラブ活動はコースの区別なく行い、中3以降、進級時に選考を通過した希望者は、コース間の移動も可能となります。さらに、GLCの出願者の英語力が上がってきたことに対応して、2022年度からはADCの英語にも、英検®3級取得者を対象とした習熟度別の「E類授業」を新設します。篠原先生は「高2で文系・理系に分かれますが、GLCにも理系クラスを導入しています。今春、東京大学やハンガリーの国立大学医学部に進学した卒業生も、GLCの理系クラスに所属していました」と述べ、多様な進路を実現できる柔軟なカリキュラムの魅力を伝えました。

 次に、これまで進めてきた教育活動の取り組みについて紹介されました。同校では他校に先駆けて2012年には電子黒板や校内無線LANを整備し、2016年には生徒全員がタブレット端末を持つ環境に移行していたため、2020年春の休校期間中もスムーズにオンライン授業を実施できたそうです。また、2015年に文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)のアソシエイト校に指定されたことを機に、グローバル教育も加速しました。5年間のSGHアソシエイトプログラム終了後には、ユネスコスクールに認定され、2021年からはSGHネットワーク校にも加盟しています。縦割りのチームでSDGs(持続可能な開発目標)などに掲げられた課題解決を提案するプログラム「フロンティアプロジェクトチーム」(中2~高2希望者対象)を実施するほか、ラトビアのEU大使などを招いての講演会、企業・大学と連携したイベントやセミナーも行いました。このように、さまざまな体験を通して社会や世界への視野を広げています。

 「Beyond School」を合言葉に、学校外の人々とつながる活動も重視しています。英語とフランス語による複言語教育を取り入れているのも特徴で、フランス語はGLCでは必修とされています。ADCでも高校の選択授業で学ぶことができます。篠原先生は「新型コロナウイルス感染症の流行で参加者数は減ったものの、2021年も留学を継続し、海外交流校へのオンライン留学も実施しました。生徒たちは、外部のイベントやコンテストにも積極的に参加しており、2021年卒業生の大学入試では、こうした挑戦をしてきたことが総合型選抜入試で良い結果につながりました」と述べました。

 2022年度の「アドバンスト入試」は、2月1日午前・午後、2日午後、3日午前の計4回行われます。複数回受験の優遇措置は特に設けていないとのことでした。詳細はホームページの募集要項をご覧ください。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 最新のICT環境が整備された校舎には、華道・茶道や礼法などの実習を行う和室「和悦庵」もあり、生徒たちはそこで和の心を学んでいます

www.otsumanakano.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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