受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

田園調布学園中等部

2021年10月15日(金)

「学校ルーブリック」を生徒と共有
幅広い学びと体験で個性を引き出す

 1926年に創立された調布女学校を前身とする田園調布学園は、社会で輝く女性の育成をめざす女子進学校です。

 都内の公立中学や神奈川県の私立男子校で教鞭を執った経験を持つ校長の清水豊先生は、中高6年間を別学校で過ごす意義として、「自己と向き合い、自分を知ることができる環境」を挙げました。

 同校では、「自分本位の我を捨て、目標に向かって努力を続けること、他人よかれと行動すること」を意味する「捨我精進」という建学の精神に基づき、6年間のあらゆる教育活動に明確な目標・目的を定めています。そのうえで、身につけてほしい10の力を「学校ルーブリック」として生徒たちと共有し、幅広い学びや体験を通して一人ひとりの個性を引き出しています。清水先生はコロナ禍における2年間を振り返り、「生徒たちは今できることを考え、学校生活をより良くしようと励んでいます。その明るく、たくましい姿に、さまざまな体験を通じて日々成長していると実感しています」と語りました。

週1コマの「探究」を新たに実施
教科横断型の授業にも注力

 入試広報室長の細野智之先生からは、来年度から導入される新カリキュラムと「探究」の授業について説明がありました。同校はICTの活用によって学習の効率化を図り、「週5日制・50分授業(週32コマ)+土曜プログラム」という授業形態に変わります。そして、中1から高2までの全員を対象に、平日に週1コマの「探究」を実施します。

 同校では15年前から、年に15回ほど「土曜プログラム」を実施してきました。これは、生徒の発達段階に応じて学年ごとにテーマを設けた「コアプログラム」と、語学・文化・科学など5分野の170以上の講座から各自の興味・関心に応じて選択する「マイプログラム」とで構成されるものです。細野先生は「従来のコアプログラムを『探究』に移行し、中学では試作を繰り返す『デザイン思考』という手法を用いて課題解決学習(PBL)に取り組みます。今後は企業・外部団体との連携によるプログラムも予定しています」と述べました。

 中学では多摩川フィールドワークなど、身近な題材を扱った体験学習を通して探究スキルを磨きます。高校では、生徒一人ひとりが興味・関心のあるテーマを選択して本格的な探究活動に取り組み、論文を執筆します。

 なお、「マイプログラム」は土曜プログラムとして継続し、外部の専門家による教養講座から学力を高める講座まで、さまざまな内容のものを開講します。細野先生は「物事を広く複眼的にとらえることができるようになるために、数学と美術、物理と音楽、地学と美術、倫理と美術など、教科横断型の授業を行っています」と語りました。その結果は近年の卒業生の進路にも表れ、理系学部への進学者の割合が約45%に上るそうです。

 定評のある英語教育については、5名のネイティブ教員を配置し、ペアワークやアクティビティーも取り入れて、4技能をバランス良く伸ばしています。入学当初から英検®2級程度の英語力のある生徒には、ネイティブ教員による取り出し授業が実施されています。希望者対象のプログラムとしては、中3ではオーストラリアもしくはカナダでの2週間のホームステイを、高1・2ではニュージーランド・ターム留学を実施します。このほか、中2での「イングリッシュ・チャレンジ」、高1・2での「エンパワーメントプログラム」などもあります。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 一般教室のほか、図書館や三つの理科室、講堂、体育館などを備えた本校舎と、被服室、調理室、音楽室、和作法室などがそろう第二校舎があります

www.chofu.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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