受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東洋大学京北中学校

2021年10月16日(土)

充実した学習環境を整え
本当の教養を身につけた国際人を育成

 東洋大学と2011年に法人合併し、その附属校となった東洋大学京北中学校。前身は、東洋大学の創立者でもある明治期の哲学者・井上円了が1898年に設立した京北尋常中学校です。長く男子校でしたが、2015年に共学化し、同時に文京区白山の新キャンパスに移転しました。

 校長の星野純一郎先生は「諸学の基礎は哲学にあり」という建学の精神に触れながら、「哲学とは、あらゆる事柄について前提から問い直し、考え、議論し、真理を追究する学問です。本校では哲学を基盤とした学びを通じて、より良く生きる術を養っていきます」と述べました。

 「本当の教養を身につけた国際人の育成」をめざす同校では、文系・理系のどちらかに偏り過ぎない、国公立大学受験にも対応したカリキュラムで学習を進め、幅広く奥深い教養を身につけます。星野先生は、日常生活で生徒たちに実践するよう指導している「正礼し 正聴し 尽瘁すれば 不可無く良生なり」ということばに触れ、「ここには『礼儀を正し、人の話を真剣に聴き、労苦を惜しまず物事に一生懸命に取り組めば、不可能だと思われることも可能になる』という教訓が込められています。大切なのは謙虚な気持ちと、知らないことを究めようとする姿勢です。一生懸命に努力すれば、何事も成し遂げられるのです」と結びました。

哲学・国際・キャリアを教育の柱に
対話と体験を重視した学びを実践

 続いて、教育の三本柱「哲学教育」「国際教育」「キャリア教育」の具体的な内容について、広報部長の井出秀己先生が説明しました。まず、哲学教育については、中学では必修科目として週1回の「哲学」という対話型の授業を設けています。身近な事柄について問いを立て、生徒同士が議論を深めながら、多様な価値観があることを学んでいるそうです。高校では倫理を必修とし、思想家や宗教家、文学者たちの人生観や世界観を手がかりに「どう生きるべきか」について思索を深めます。

 国際教育については、フレッシュマンイングリッシュキャンプ(中1)、ブーストアップイングリッシュキャンプ(中2)、カナダ修学旅行(中3)といった全員参加型のプログラムを実施。セブ島英語研修、オレゴンサマープログラムなど実践力を磨く希望制のプログラムもあります。

 そして、進路については、東洋大学の全学部への推薦枠を約160名程度確保する一方、国公立大学をはじめとする他大学受験も奨励しています。2021年3月に卒業した中高一貫の第1期生のうち、約4割が附属校推薦枠を利用して東洋大学に内部進学しましたが、他大学にも国公立大学に15名、早慶上理に19名、GMARCHに75名が合格しました。

 このような実績を支えているのが、充実した学習環境です。その一例として、朝テストと連動した放課後学習プログラム「ASP(After School Program)、大学生チューターが常駐する自習室、長期休暇中に開講する「大学進学対策講習」などが紹介されました。

 中高大連携教育も推進し、東洋大学で学ぶ留学生たちと交流する「Let's Chat in English!」(中1〜高3)、東洋大学生命科学部・食環境科学部の教授・大学院生・大学生と学ぶ「未来の科学者育成プロジェクト」(中3)なども実施しています。

イメージ写真 2015年に完成した地上4階・地下2階建ての校舎は、災害時の避難場所になることも考慮したゆとりある空間です

www.toyo.ac.jp/ja-JP/toyodaikeihoku/jh/ 別ウィンドウが開きます。

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