受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

横浜女学院中学校

2021年10月20日(水)

CLILとESDを柱に
新時代を見据えた教育を推進

 二つの学校が合併して1947年に創設された横浜女学院は、「キリスト教教育」「学習指導」「共生教育」の三つを柱に、伝統を守りながらも時代に即した教育内容を取り入れている女子進学校です。

 説明会の冒頭で、進路学習指導部の鈴木俊典先生は、文部科学省が推進する高大接続改革で英語4技能やプレゼンテーション能力などの育成が求められていることに触れ、「このような新しい時代の教育に対応するために導入したのが、CLIL※1とESD※2です」と語りました。

 CLILとは、教科学習と英語学習を組み合わせた内容言語統合型学習のことで、他教科の特定のテーマについて英語で学び、英語4技能に「考える力」を加えた5技能を伸ばします。また、中2の社会科では、「技術革新は統治のしくみを変化させる」をテーマに18世紀末ごろのフランス国民になりきり、それぞれの立場から英語でディスカッションして当時の格差社会を疑似体験します。このような探究ステートメントを活用し、さまざまな知識を概念と結びつけていきます。

 一方、「持続可能な開発のための教育」を意味するESDでは、SDGs(持続可能な開発目標)と探究活動を組み合わせて、一つの問題について多角的に考え、それを解決できる思考力を養います。こうしてCLILとESDを連動させながらさまざまな問題について探究し、学びを深めるのが狙いです。鈴木先生は「生徒にはESDを通して、公正ではない世界を知り、価値観が揺らぐ経験をしてほしいのです。変化の予測できない世の中では、与えられたことをこなすのではなく、主体的に行動する姿勢が大切です。本校では生徒にさまざまな刺激を与えて、主体的に考え、行動する機会を設けています」と強調しました。

多彩なプログラムと探究型学習が
「学びのきっかけ」に

 続いて、あいさつに立った校長の平間宏一先生は、「本校は『わたしたち一人ひとりが大切な存在である』『自分を愛するように隣人を愛しなさい』という教えを大切にしています。生徒たちは中学・高校での充実した生活を経て、6年後に自分自身が愛されていることを実感し、巣立っていきます」と語りました。

 同校では多彩なプログラムと探究型学習で「学びのきっかけ」を与え、生徒が自己肯定感を持って行動できる力を育んでいます。クラスは国際教養クラスとアカデミークラスに分かれ、それぞれ異なるアプローチで学習を進めていきます。国際教養クラスでは、英語に特化した授業を実施。英語のほかに必修の第二外国語としてドイツ語・スペイン語・中国語をローテーションで学習し、文化的背景を知ることで国際教養を身につけていきます。一方、アカデミークラスでは、よりていねいに学習を進めていき、難関大学に合格できる学力を養います。

 国際教育にも力を注ぎ、中3全員必修のニュージーランド海外セミナーは、国際教養クラスは1か月、アカデミークラスは12日間の日程で実施。現地の姉妹校や提携校に通いながら英語力を高め、ESDやCLILの内容を踏まえた協働学習に取り組みます。

 入試は、国際教養クラスとアカデミークラスに分けて行われますが、両方への出願も可能です。複数回同時出願の場合、2回目以降の受験料が不要となり、採点は常に得点の高い方が採用されます。

※1 CLIL(クリル)…Content and Language Integrated Learningの略称。
※2 ESD…Education for Sustainable Developmentの略称。

イメージ写真 中3の数学の授業の様子。生徒はタブレットか教科書のいずれか使いやすいほうを選んで授業を受けています

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