受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京都立桜修館中等教育学校

2021年11月6日(土)

国語・数学で「論理学習」を行い
「真理の探究」をめざす

 東京都立桜修館中等教育学校の前身は、1929年に設立された旧制東京府立高等学校です。戦後、東京都立大学附属高等学校となり、2006年に完全中高一貫の中等教育学校に改組され駒沢公園にほど近い、緑豊かな学習環境の下、「高い知性、広い視野、強い意志」を持った、国際社会を担う人材を育成しています。

 この日のオンライン説明会の冒頭、今年度より校長に就任した石崎規生先生が、充実した国際理解教育の取り組みについて紹介しました。後期課程の4・5年生(高1・2)では自由選択科目として外国語講座が週2時間開講されており、フランス語・ドイツ語・スペイン語・ハングル・中国語などが学べます。石崎先生は「本校は6年間の一貫した教育活動で、国際社会を担う人材の育成をめざしています」と強調しました。

 教育の大きな柱となっているのが「論理学習」です。論理的な思考力を育てるため、前期課程(中学)では「国語で論理を学ぶ」「数学で論理を学ぶ」を設定し、アクティブ・ラーニング型の授業を行っています。このうち「国語で論理を学ぶ」では、文章や相手の話の内容を正確にとらえ、筋道を立てながら自分の考えを表現する力を養います。一方、「数学で論理を学ぶ」では、身近なものを題材に数量関係を理解し、論理的に考察する能力を培います。こうした探究的な学びの集大成として、5年生になると、各自がテーマを決めて研究に取り組み、5000字の論文を作成します。6年生ではその論文の概要を英訳し、研究論文集にまとめます。

「自由と自治」の伝統を受け継ぎ
生徒が主体となる教育活動を実践

 前述の国際理解教育では、1年生の“Pre-Empowerment”に始まり、国内英語合宿(2・3年生の希望者対象)、関西研修旅行(3年生対象)、海外語学研修(4年生の希望者対象)、3泊4日のシンガポール修学旅行(5年生対象)のほか、新たに導入される「リーダーシップ育成アメリカ研修」(4・5年生の希望者対象)など、外国人と英語で交流できるさまざまなプログラムを用意しています。石崎先生は「新型コロナウイルスの流行により、現在は、生徒を海外に送り出すのではなく、外国の方をお招きしたり、オンラインでの国際交流を取り入れたりしています。夏休みには、従来の英語合宿の代わりに、外国人留学生を招いて校内でグループセッションを行いました。また、2021年はパラリンピック観戦の機会もあり、多様性や国際社会への理解を深めることができました」と話しました。東京都が主催する約1年間の留学プログラム「次世代リーダー育成道場」には、2022年も6名が参加するそうです。

 都立大学附属高等学校の時代から「自由と自治」を大切にしてきた同校では、三大行事である「クラスマッチ(体育祭)」「記念祭(文化祭)」「合唱コンクール」も、生徒が主体となって運営しています。石崎先生は「放課後には、廊下など校内の至るところで勉強に励む生徒たちの姿が見られます。学習に関しても、生徒がみずから取り組む校風が受け継がれていることを感じます」と話しました。

 卒業後の進路については、「受験は団体戦」を合言葉に、生徒たちは切磋琢磨しながら希望する進路の実現をめざしています。毎年、東京大学・東京工業大学などの国公立大学や最難関私立大学に多くの合格者を輩出しています。

 説明会の後半には、生徒が制作した学校紹介ビデオが上映されました。動画では、「コロナ禍の今だからこそ、できる企画を」と前向きに取り組んでいる学校生活や行事について、運営する側の立場として生徒たちが説明を担当。「本校で培われた柔軟な発想力を生かしながら、そのときにできる最高の行事を行っていきたい」という強い思いも伝えられました。

イメージ写真 東急東横線「都立大学」駅から徒歩10分。部活動では、弓道部のほか、吹奏楽部や科学部、日本文化部かるた班などが活躍しています

www.oshukanchuto-e.metro.tokyo.jp/site/zen/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ