受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

佼成学園中学校

2022年5月19日(木)

時代の変化を的確にとらえた、先進的な教育プログラムを実践

 1954年設立の佼成学園中学校・高等学校は、体験と学問の両立に励むことを意味する「行学二道」を校訓とする中高一貫の男子進学校です。また、高校は野球やアメリカンフットボールの強豪校としても知られています。

 この日の説明会では、最初に教頭の青木謙介先生があいさつ。入学して間もない中学1年生に男子校の魅力を聞いたところ、「共通の話題で盛り上がれる」「異性の目を気にしなくていい」という声が上がったと話しました。2018年に、高校生対象の世界最大規模の科学コンテスト「インテル国際学生科学技術フェア」の日本代表に同校の生徒が選出され、「アブラムシの種分化と寄主植物」と題する研究発表を行ったことにも触れ、「本校では、アメフト部のスタープレーヤーも、独りでアブラムシの研究に打ち込んでいる生徒も対等です。男子が自分を見つめて、自分磨きをするのに最適なのが男子校だと思います。中高時代にやりたいことをしっかりやり、自己肯定感をつけて、人に優しくなれる男性に成長してほしいと願っています」と結びました。

 次に、同校の卒業生だと言う広報部長の南井秀太先生が教育内容について説明しました。同校は立正佼成会が社会事業の一環として開設した学校ですが、宗教教育や宗教行事などは一切行いません。南井先生は「『平和な社会の繁栄に役立つ若者の育成』という建学の精神、そのままの学校であるとお考えいただいて間違いありません」と強調しました。

 続いて、同校に通うサピックス卒業生のインタビュー動画も上映されました。そのなかで、中1の生徒は「学校生活はとても楽しいです」と語り、高1の生徒は「みんな仲が良く、勉強への意識がとても高いところが魅力です」とコメントしました。

 同校では、時代の変化に対応したさまざまな教育改革を展開しています。中学入試の結果によって旧帝大と呼ばれる国公立大学・最難関私大をめざす「アドバンストクラス」と国公立大学・難関私大をめざす「マスタリークラス」、そして、2021年に新設された、海外の大学や国内のスーパーグローバル大学への進学を目標とする「グローバルコース」に分かれての少人数クラス編成となっています。なお、「アドバンストクラス」と「マスタリークラス」は進級の際、学力に応じて再選考されるとのことで、南井先生は「ある程度、競うことは男の子を伸ばすうえでは必要だと考えています」と説明しました。

 ICT教育は、8年前から本格的に導入し、すべての教室に電子黒板とWi-Fi環境を完備。生徒全員が所持するiPadを活用して、アクティブラーニング型の授業が行われています。また、2016年度から中高一貫生を対象として実施していた「グローバルリーダープロジェクト(GLP)」の発展型となる「グローバルコース」についても説明がありました。各クラスに分散していたGLP生を1クラスにまとめるという目的で新設された同コースでは、GLPでも好評だった「モンゴル異文化体験プログラム」などの海外フィールド実践プログラムを必修としています。また、2022年度の入学者よりすべてのコースで英語教育改革を推進し、英語は週8コマの設定となっています。そのうち4コマはクラスを分割しての少人数制で行い、実用的な英語力を身につけるための指導体制を整えています。

 いずれのコースでも、授業のほかに小テストや講習・補習などで基礎学力の獲得を徹底しています。また、先生が生徒に日常的に声を掛け、面談を頻繁に行うなど、生徒と先生の信頼関係を結んだうえで、きめ細かい学習指導を行っているのも特徴です。

 こうした取り組みが実を結び、2022年度の大学合格実績を見ると、早稲田大へは前年度の1名から16名、慶應義塾大へは3名から10名、上智大へは7名から17名、東京理科大へは9名から23名といったように、特に最難関私立大学への合格実績が大幅に伸びています。

イメージ写真 難関大学合格者の多くは文武両道を実践。部活動でも輝かしい成績を残しています

www.kosei.ac.jp/boys/ 別ウィンドウが開きます。

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