受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

山手学院中学校

2022年5月19日(木)

国際交流教育に注力し、世界に羽ばたくグローバルリーダーを育成

 山手学院中学校・高等学校は、1966年に開校した共学の中高一貫校です。「『未来への夢をはぐくみ、その夢の実現をたくましくになっていく人』すなわち『世界を舞台に活躍でき、世界に信頼される人間』を育成する」を建学の精神に掲げる同校は、国際交流教育に力を注ぎ、国際人の育成に向けた多彩なプログラムを実践。進路指導にも積極的に取り組み、難関大学への合格実績を着実に伸ばしています。

 この日、オンラインで行われた学校説明会は、入試対策部長の渡辺大輝先生が担当しました。同校では、中学校からの入学生と高校からの入学生とで別のカリキュラムを敷いています。中高一貫コースでは、中1・2は成績や男女比を均等にした5クラス編成とし、中3・高1は成績上位者からなる選抜2クラスと一般4クラスの全6クラスの編成です。その後は、学年が上がるたびに一般クラスの成績優秀者を数名程度選抜クラスに加えながら、高2・高3は文系・理系混合の選抜2クラス、文系・理系別の一般3クラスに分かれて大学入試に向けて本格的に学びます。

 土曜日の午前中には「土曜講座」を行い、長期休暇には幅広い内容の講座を設置するなど、きめ細かい学習サポート体制も整っています。土曜講座では補習講座、レベル別の大学受験対策講座、資格試験対策講座のほか、語学や教養を学べる文化講座もあり、生徒は興味・関心に合わせて選択できます。

 一方、同校が力を注いでいる国際交流教育では、生徒全員が中3で1週間のオーストラリア・ホームステイを、高2で2週間の北米研修プログラムを体験します。さらに希望者はホストファミリーを日本の家庭に招くリターン・ビジット、ニュージーランド中期留学(中3)、現地で取得した単位が認められる年間留学(高2)、国連世界高校生会議(高1~3対象。選抜制)などにも参加できます。現在、コロナ禍により海外渡航行事は中止していますが、早ければ今年11月のオーストラリア・ホームステイから再開できる見込みです。なお、昨年は代替として、2泊3日の「エンパワーメントプログラム」を実施し、生徒が考えたプランに沿って、外国人留学生に日本を紹介しながら交流を図ったそうです。

 そして、コロナ禍で誕生した国際教育プログラム「GLP(Global Leader Program)」も注目すべき内容です。世界を動かすグローバルリーダーの育成を目的に「SDGs」「アントレプレナーシップ」「プログラミング的思考力」「英語対話力」「哲学的思考力」といった五つのコンセプトを設け、国際交流や課題解決型の学習を通して非認知能力を啓発していきます。たとえば、世の中に必要な商品を発案し、開発から製品化まで手がける「GRASSROOTS INNOVATOR PROGRAM」、プログラミング言語を習得してブログサイトの制作や車の自動運転操縦などのAI技術を学ぶ「PROGRAMMING」などの講座があります。主に土曜講座として中3・高1の希望者向けに開講していますが、選抜クラスの生徒は必修です。

 大学合格実績については、2022年の中高一貫コースの卒業生は国公立大学やGMARCH以上の現役合格者が51%で、医・歯・薬・看護系などの理系進学者が多い点が特徴です。指定校推薦はMARCH以上の大学だけで60名の枠を確保しており、国内最多レベルを誇ります。

 2023年度入試は2月1日午前にA日程、1日午後に特待選抜、3日午前にB日程、6日午前に後期日程を実施します。変更点は、B日程が2月2日午後(2科)から2月3日午前(2科・4科選択)に移動・変更することです。施設設備費と中学3年間の授業料が免除となる特待生制度について、渡辺先生は「特待選抜入試の成績上位者60名が対象ですが、ほかの入試回の受験者も2科または4科の得点率が8割以上なら特待生合格です。一度合格した後も、再受験して特待生の枠に挑戦してください」とエールを送りました。

イメージ写真 鎌倉の山々や富士山を望む高台に約6万㎡の広大なキャンパスを構える同校。自然が豊かで、四季の彩りを楽しめます

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