受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

晃華学園中学校

2022年5月23日(月)

カトリック精神に基づく全人教育を実践し、社会に貢献する女性の育成をめざす

 フランスのカトリック修道会「汚れなきマリア修道会」を母体として1963年に設立された晃華学園中学校。校名の「晃華」は「光り輝く華(=聖母マリア)」を表しており、キリスト教的人間観に基づく全人教育に力を注ぎ、社会に貢献する女性の育成をめざしています。

 この日の説明会では最初に校長の西山恵子先生が登壇し、同校の教育理念の一つである「家庭の精神を基盤とする教育」を取り上げました。先生は「家庭的な温かい学習環境を用意し、生徒たちが素直に自分を表現できるように心がけています。愛情をいっぱいに受けた生徒たちは他者に向かって自分を役立たせようとします」と語りました。

 次に宗教科の安東峰雄先生は、同校の教育理念の実践目標の一つである「Noblesse Oblige(ノーブレス オブリージュ)」について説明しました。このことばは、「すべて多く与えられた者は多く求められ、多く任された者はさらに多く要求される」という聖書の一節に由来します。この理念の下、同校では「自分の個性や能力を最大限に生かし他者と共に生きる」という精神を育むため、「カトリック教育」「女子教育」「ライフガイダンス」を教育の3本柱としています。

 「カトリック教育」は同校の教育活動の土台にあたります。聖書の解説にとどまらず、あらゆる教材や形式で「神様の存在」を実感できる授業を実践。1日2回の祈りや、年に2~3回の宗教行事もありますが、カトリック信者は1学年に2~3人程度ということです。

 次に「女子教育」に特化した学習環境については、多感な6年間をジェンダーロール(性役割)にとらわれず、自分を伸び伸びと表現できる貴重な場となっています。そして、「ライフガイダンス」では、単なる進学指導にとどまらず、その後の人生設計を見据えた“善い生き方”について考えることができるよう、中高6年間で多様な価値観に触れ、自分の進路を主体的に選び取る力を養います。

 一方、全人教育を基盤とする同校の教科教育については、一人ひとりのニーズに合わせてきめ細かく指導し、どの教科もバランス良く学ばせることで、奥深く幅広い知性と豊かな感性を育んでいます。中1から英語の分割授業を行い、高1からは英語・数学が習熟度別授業となります。また、今年度の中1からオリジナル手帳を配布し、学習計画や定期試験の結果、取り組み方を振り返る「学習の記録」も活用しながら、自主的に学ぶ姿勢を養っています。これらの活動について安東先生は、「日々の学習で重視しているのはプロセスであり、比較するのは他者ではなく自分です。『努力は仲間と共に』と指導しています」と話します。

 多彩な探究活動にも定評のある同校では、2016年からSDGs(持続可能な開発目標)の活動が始まりました。全日本高校模擬国連大会に参加した生徒からの提案を契機に、2017年からは中3の公民の授業で英語科やICTと連携し、SDGsをテーマにしたアクティブラーニング型授業を開始。その後も「SDGirls」と呼ばれる生徒たちが、地元・調布市と連携した「調布市空き家×晃華学園」プロジェクトに参加するなど、大手企業ともコラボレーションした多種多様な活動に取り組んでいます。

 このほか、同校では伝統ある英語教育に加えて、理数教育にも力を入れています。その結果、現在は生徒の約4割が理系を選択しているとのことです。国語科の宇野幸弘先生は「理系選択者の約半数が医療系分野を志望していますが、本校の教育理念である『ノーブレスオブリージュ』の使命感が影響していると思われます」と結びました。

イメージ写真 調布市に緑豊かで広々としたキャンパスを構える同校。京王線「国領」駅とJR中央線「武蔵境」駅から直通のスクールバスが運行されているほか、路線バスの便も多いのでアクセスは良好です

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